
【この記事はこんな方に向けて書いています】
・結婚適齢期やライフプランを考えている20~40代の独身男女
・昭和~令和にかけて婚姻トレンドがどう移り変わったか知りたい方
・平均初婚年齢と社会背景・経済状況の関係を数字で押さえたい方
「結婚は人生の一大イベント」と言われますが、世の中の結婚年齢がどんどん変わっているのをご存じですか?戦後日本では一貫して“晩婚化”が進み、ついに令和3(2021)年には男性31.0歳、女性29.5歳に達しました ウィキペディア。この記事では、厚生労働省「人口動態統計」や内閣府データをもとに、戦後から現在までの平均初婚年齢の推移とその背景を詳しく解説します。
■戦後直後~高度経済成長期:20代前半が当たり前
戦後すぐ、昭和22(1947)年の正式統計開始以降、平均初婚年齢は男性約26歳、女性約23歳でした。その後、1950~60年代の高度経済成長期には、社会全体が“ファミリー形成ドリブン”で動き、結婚・出産を前提としたライフプランが一般的に。結婚適齢期は20代前半が当たり前で、男性は25歳前後、女性は22~23歳がピークでした 厚生労働省。
■1970年代:男女ともわずかに上昇、女性の社会進出が始まる
昭和50年代(1975年頃)に入ると、女性の初婚年齢が妻24.7歳から昭和55年には25.2歳に上昇。男性も同時期に26.9歳前後と、1~2歳の上昇が見られました 厚生労働省。背景には大学進学率の向上や女性就業率の増加があり、結婚よりもまずキャリア形成を優先する若者が増えていきます。
■1990年代:バブル崩壊後の結婚控え、晩婚化が加速
バブル景気の崩壊(1991年~)以降、日本全体の雇用や所得が不安定化。女性の平均初婚年齢は平成4(1992)年で26.0歳、平成12(2000)年には27.0歳と、1歳上昇するまでに約8年かかりましたが、その後の上昇スピードは一段と早まりました 厚生労働省。
同時期、婚姻件数はピークの昭和47(1972)年約104万件から減少し、第2次ベビーブーム世代が25歳前後を迎えた平成7~12年にもわずかな増加はあるものの、その後は減少傾向が続いています 男女共同参画局。結婚という選択肢自体を見直す動きが強まっていったわけです。
■2000年代~2010年代前半:晩婚化のピークと横ばい
平成13(2001)年には妻の平均初婚年齢が27.2歳、平成18(2006)年には28.2歳とスピードが加速。平成24(2012)年には29.2歳に達し、1歳上昇に要した期間はわずか6年でした 厚生労働省。男性も同様に30歳前後への移行が進み、この頃までが“晩婚化ピーク”の時期といえます。
■令和元(2019)年以降:緩やかな上昇、横ばい傾向に
令和元(2019)年のデータでは妻29.6歳、夫31.2歳と直近まで上昇したものの、令和3(2021)年の最新値では妻29.5歳、夫31.0歳に微減しました ウィキペディア。コロナ禍による結婚控えも影響し、婚姻件数は戦後最少水準まで落ち込みましたが、初婚年齢自体は緩やかに横ばいへと移行しています。
平均初婚年齢上昇の背景要因
- 女性の社会進出と高学歴化
大学・短大・専門学校などへの進学率上昇により、女性の平均初婚年齢は1970年代以降で約6年間で5歳上昇 厚生労働省。キャリアや自己実現を優先し、結婚タイミングを後ろ倒しにする動きが顕著です。 - 経済的な安定志向の強まり
バブル崩壊後から非正規雇用の拡大や所得格差の拡大が進み、経済的な余裕を得てから結婚したいという意識が高まりました。国税庁「民間給与実態調査」では、30歳~34歳の平均年収が平成初期の約360万円から令和3年の約411万円へと上昇傾向にあり、結婚前の収入水準確保が重要視されています。 - ライフスタイルの多様化
結婚や出産を人生の必須ステップと考えない「ライフシフト」世代が増加。未婚率は上昇し、20~30代での晩婚化だけでなく、生涯未婚割合も上昇しています。
今後考えたいポイント
- 地域差の拡大
東京都心部と地方都市・過疎地域とでは初婚年齢と未婚率に格差があり、ライフスタイル選択肢が顕著です。 - 晩婚化と少子化の相関
結婚適齢期の後ろ倒しは出生数減少をさらに加速。結婚支援施策や経済支援策が急務です。 - マリッジブルー対策
晩婚化に伴い結婚前後の精神的負担も増加。メンタルヘルスや夫婦関係構築サポートが重要なテーマとなります。
戦後から令和まで、日本人の平均初婚年齢は「20代前半→30歳前後」へと大きくシフトしました。社会経済状況や価値観の変化を背景に、これからの人生設計や結婚観も多様化しています。この記事を参考に、自分らしい結婚のタイミングとライフプランを考えるヒントにしてくださいね!
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