【業界の不都合な真実】結婚相談所が“人の弱みにつけ込む”ビジネスと言われる4つの構造的欠陥

【この記事はこんな方に向けて書いています】
・結婚相談所への入会を真剣に検討している、または現在活動中の方
・高額な料金を支払う価値が本当にあるのか、疑問を感じている方
・「成婚率」などの甘い言葉の裏側にある、ビジネスの仕組みを知りたい方
・カウンセラーの言葉に、どことなく違和感や不信感を抱いたことがある方
・他人の言うことを鵜呑みにせず、自分の頭で考えて後悔のない選択をしたい方

「本気で結婚したいなら、結婚相談所が一番の近道です」。そう信じて、何十万円という高額な入会金を支払おうとしているあなたへ。その一歩、踏み出す前に少しだけ時間をください。

一見、利用者の「結婚したい」という切実な願いに寄り添い、幸せなゴールへと導いてくれる、崇高なサービスに見える結婚相談所。しかし、そのビジネスモデルの内部を、冷静な目で、そして少しだけ意地悪く分析してみると、そこには利用者の幸せよりも、事業者の利益が優先されかねない、深刻な「構造的欠陥」が、いくつも潜んでいることが見えてきます。

今日は、多くの人が目を背けがちな、しかし、あなたの人生とお金を預ける前に絶対に知っておくべき、結婚相談所という業界のタブーに、解説というメスを入れていきます。

欠陥①「情報の非対称性」が生む、不公正な取引の温床

まず、結婚相談所というビジネスの根本には、利用者と事業者との間に横たわる、圧倒的な「情報の非対称性」という問題が存在します。

どういうことか。あなたは、入会を検討する段階で、その相談所に「どんな会員が、何人くらいいるのか」「本当に自分に合う人がいるのか」「実際に成婚できる可能性はどれくらいなのか」といった、最も重要な情報を、具体的に知ることができません。

一方で、相談所側は、あなたの個人情報や希望条件はもちろん、自社に登録している全会員のデータを握っています。この情報格差は、極めて不公正な力関係を生み出します。

情報を持たないあなたは、相談所の営業担当者(彼らは親しみを込めて“カウンセラー”と呼ばれますが)が語る、「あなたにぴったりの方が、たくさんいらっしゃいますよ」「今入会するのが、一番のチャンスです」といった、甘い営業トークを信じるしかありません。その言葉が、真実か、それともあなたを契約させるための誇張なのかを、確かめる術はないのです。

この情報の非対称性を象徴するのが、「成婚率」という、実に都合の良い言葉です。各相談所は、高い成婚率を謳い文句に、自社のサービスの有効性をアピールします。しかし、この「成婚」の定義が、実は事業者によってバラバラであるという事実を、あなたはご存知でしょうか。

・A社:プロポーズを経て、婚約した段階で「成婚」 ・B社:結婚を前提とした「真剣交際」に発展した段階で「成婚」 ・C社:相談所を二人で退会した段階で「成婚」

極端な話、真剣交際に至っただけで「成婚」とカウントし、その後、二人が破局したとしても、「成婚率」の数字には何の影響も与えない、というケースすらあり得るのです。これは、あなたがイメージする「結婚」とは、著しくかけ離れていますよね。

このように、定義が曖昧で、事業者側が有利なように解釈できる指標を元に、私たちは高額な契約を結ばされかねない。これこそが、このビジネスが抱える一つ目の、そして極めて根深い欠陥なのです。

欠陥②「月会費ビジネス」という、根本的な利益相反モデル

次に、結婚相談所の収益構造に目を向けてみましょう。多くの相談所は、主に3つの料金で成り立っています。

  1. 入会金:入会時に支払う初期費用(10万~30万円程度)
  2. 月会費:在籍中に毎月支払う費用(1~2万円程度)
  3. 成婚料:成婚退会時に支払う成功報酬(5万~30万円程度)

この中で、事業者にとって、最も安定的で確実な収益源となるのが、②の「月会費」です。なぜなら、会員が在籍し続けてくれる限り、毎月、何もしなくてもチャリンチャリンとお金が入ってくるからです。

ここに、利用者と事業者の「利益相反」という、深刻な問題が生まれる余地があります。 考えてみてください。
利用者の利益:できるだけ早く、良い相手を見つけて「成婚退会」すること。
事業者の利益:…本当に、利用者の早期成婚が、事業者にとって一番の利益でしょうか?

もちろん、成婚料という成功報酬モデルは、利用者の利益と一致しています。しかし、もし相談所が「月会費」による収益を重視するビジネスモデルを採用している場合、「会員には、できるだけ長く在籍してほしい」というインセンティブが働いてしまう可能性を、否定できるでしょうか。

会員が早く成婚してしまえば、その会員から得られるはずだった、未来の月会費収入は、全て失われます。それよりも、なかなか成婚させずに、1年、2年と在籍期間を引き延ばした方が、トータルでの売上は大きくなるかもしれない。

もちろん、全ての相談所がそうだとは言いません。しかし、ビジネスモデルの構造として、「利用者の早期の幸せ」と「事業者の継続的な利益」が、必ずしも一致しない、むしろ相反する可能性があるという点は、利用者として絶対に知っておくべき、この業界の“不都合な真実”なのです。

欠陥③「スペック至上主義」がもたらす、人間性の軽視

結婚相談所の最大の特徴は、データベースに基づいたマッチングシステムです。これは、効率的に相手を探す上では、非常に便利なツールです。しかし、その効率化の代償として、極めて重要なものが失われています。それは、「人間性」の尊重です。

システムで検索し、フィルタリングできる項目とは、何でしょうか。それは、「年収」「学歴」「職業」「年齢」「身長」「容姿」といった、記号化しやすい「スペック」です。あなたのプロフィールは、これらのスペックによって点数化され、商品のようにデータベースに陳列されます。そして、あなたは、相手を同じようにスペックで検索し、値踏みすることを、システムから半ば強制されるのです。

しかし、考えてみてください。幸せな結婚生活を、本当に決定づけるものは何でしょうか。司法統計が示す離婚理由の第一位は、いつの時代も「性格の不一致」です。それは、優しさ、誠実さ、価値観、金銭感覚、ユーモアのセンスといった、スペックでは到底測ることのできない、人間性の領域です。

結婚相談所のシステムは、この最も重要な「人間性」の部分を、後回しにせざるを得ません。まずスペックでスクリーニングし、条件をクリアした相手とだけ、お見合いという短い時間で、人間性を探り合う。このプロセスそのものが、長期的に幸福なパートナーシップを築く上で、本質的な矛盾をはらんでいるのです。

人をスペックという記号で判断し、商品のように選別する。その行為に慣れてしまった時、あなたは、人を愛し、尊敬するという、最も大切な感性まで、麻痺させてしまうかもしれません。

欠陥④「無資格カウンセラー」と「営業ノルマ」という時限爆弾

最後に、利用者と直接向き合う「カウンセラー(またはアドバイザー、コンシェルジュなど)」の問題です。彼らは、あなたの繊細な悩みを聞き、人生の重大な決断をサポートする、極めて重要な役割を担っています。

しかし、驚くべきことに、この「カウンセラー」になるために、医師や弁護士のような、国が定めた公的な資格は、一切必要ありません。極端な話、昨日まで全く違う業界で働いていた人が、簡単な社内研修を受けただけで、今日から「婚活のプロ」として、あなたの担当になることだってあり得るのです。当然、その質は玉石混交。親身になってくれる素晴らしい人もいれば、マニュアル通りの対応しかできない、ただの営業担当者も、数多く存在します。

さらに、彼らの多くには、会社から厳しい「営業ノルマ」が課せられています。例えば、「月間の入会者数」や「成婚者数」などです。このノルマの存在が、カウンセラーの言動を歪ませる原因となります。

彼らの頭の中は、「どうすれば、この利用者の幸せを最大化できるか」ではなく、「どうすれば、自分の今月のノルマを達成できるか」でいっぱいかもしれないのです。 その結果、 ・あなたの状況を深く考えず、とにかく入会を急かす。

・少しでも条件の良い会員と、無理にでもお見合いを組ませようとする。
・「このチャンスを逃したら、次はありませんよ」と不安を煽り、あなたが望まない相手との妥協を強要する。

といった、利用者の幸せを置き去りにしたアドバイスが行われやすくなるのです。あなたの人生を預ける相手が、実は、あなた自身の幸福ではなく、自らの営業成績のことしか考えていないかもしれない。これは、利用者にとって、非常に大きなリスクと言えるでしょう。

結論:業界の“養分”にならないための、賢い自衛策

では、私たちは、どうすればいいのでしょうか。結婚相談所という選択肢を、完全に捨てるべきなのでしょうか。

結論から言えば、必ずしもそうではありません。結婚相談所が、出会いの機会を創出する有効な手段の一つであることは事実です。重要なのは、これまで述べてきたような「構造的欠陥」を、利用者である私たちが、賢く理解した上で、主体的にサービスを利用する、という姿勢です。業界の言いなりになり、「お客様」としてただサービスを享受するのではなく、自らの人生の「主体者」として、冷静にサービスを評価し、使いこなすのです。

これから結婚相談所の利用を考えている、あるいは、今の活動に疑問を感じているあなたが、業界の“養分”にされないための、具体的な自衛策を以下に示します。
複数の無料相談に行く:1社だけでなく、必ず3社以上を比較検討しましょう。各社の説明の違いから、業界の体質が見えてきます。
「成婚」の定義を必ず確認する:書面で、その会社の「成婚」が何を指すのかを、明確に確認してください。
カウンセラーとの相性を厳しく見極める:あなたの話を親身に聞いてくれるか。あなたの質問に、誠実に、具体的に答えてくれるか。不安を煽ったり、契約を急かしたりしないか。人として信頼できる相手か、厳しくチェックしましょう。
契約書を隅々まで読む:料金体系、中途解約の条件など、不利な条項がないか、時間をかけて熟読してください。分からない点は、その場で必ず質問しましょう。

結婚相談所は、あなたの結婚を保証してくれる魔法の杖ではありません。それは、あくまで、あなたが主体的に行動するための、数あるツールの一つに過ぎないのです。その構造的欠陥を理解し、賢く、したたかに利用するという覚悟がなければ、あなたの「結婚したい」という切実な願いは、ただ、業界の利益のために、搾取されるだけになってしまうかもしれません。

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