【感動ポルノの終焉】あなたの結婚準備、壮大な“金の無駄”です。業界が教えてくれない、本当にすべきこと

【この記事はこんな方に向けて書いています】
・結婚が決まり、情報誌を眺めながらも「本当にこれ全部必要なの?」と疑問を感じている方
・結婚式の高額な見積もりに、めまいを覚えている方
・「みんなやってるから」という理由だけで、高額な出費をすることに抵抗がある賢明な方
・結婚準備の過程で、パートナーとの間に価値観のズレを感じ始めている方
・世間の常識に流されず、自分たちにとって本質的で意味のあるスタートを切りたい方

ご結婚、おめでとうございます。あなたは今、人生で最も祝福され、そして最も巧妙に仕組まれた“高額課金イベント”の入り口に、晴れやかな笑顔で立っています。分厚い結婚情報誌をめくり、キラキラした式場の写真に胸をときめかせ、「一生に一度だから」という魔法の言葉を、自分に言い聞かせている頃でしょうか。

素晴らしい。実に素晴らしい。ブライダル業界が何十年もかけて作り上げてきた、感動と幸福感という名の甘い罠に、見事にはまっています。

今日は、そんなあなたの浮かれた頭に、キンキンに冷えた現実という名の冷や水を浴びせかけ、ブライダル業界という名の沼からあなたを救い出すための話をします。これは、あなたの幸せを妬んで書くものではありません。むしろ逆です。あなたのこれからの何十年という長い結婚生活が、本当に幸せなものになるために、今、絶対に知っておくべき“不都合な真実”なのです。

平均327万円の茶番劇。結婚式が“人生最良の日”という巨大な幻想

まず、この数字から見ていきましょう。「ゼクシィ結婚トレンド調査2023」によると、挙式、披露宴・ウエディングパーティーにかかった費用の総額は、全国平均で327.1万円です。

327万円。

もう一度言います。さんびゃくにじゅうななまんえん。一部上場企業の初任給を軽く上回るこの大金が、たった数時間、たった1日のイベントのために、跡形もなく消えていくのです。あなたは、正気ですか?

この金額がいかに異常か、冷静に考えてみましょう。もし、この327万円があれば、何ができますか? ・将来のための資産運用に回せば、複利の力で10年後、20年後には大きな資産になるかもしれません。 ・子どものための教育資金として貯めておけば、将来の選択肢を大きく広げてあげられます。
・二人で世界一周旅行にだって行けるでしょう。 ・あるいは、お互いのキャリアアップのために、大学院に通うことだって可能です。

これら全て、あなたの未来を豊かにする、極めて合理的な投資です。それに対して、結婚式というイベントへの投資対効果は、一体どれほどのものでしょうか。

「ゲストへの感謝を伝えるため」「親孝行のため」?聞こえはいいですね。しかし、その実態は、ブライダル業界が巧みに仕掛けた集金システムの上で踊る、壮大な茶番劇に過ぎません。

「結婚」という魔法の言葉がつくだけで、あらゆるものの値段が2倍、3倍に跳ね上がる「ご祝儀価格」というカラクリに、あなたは気づいていますか?普通のレストランなら数万円のコース料理が、ウエディングメニューになるだけで十数万円に。普通のレンタルドレスが、ウエディングドレスになるだけで数十万円に。市場価格を無視した価格設定が、まかり通っているのがこの業界です。

「一生に一度の思い出はプライスレス」?結構です。しかし、その思い出と引き換えに、これから始まる現実の生活で、お金に苦労するリスクを背負う。それが、本当に賢い選択だと言えるのでしょうか。

その準備、誰のため?「いいね!」と「世間体」に支配された悲しき操り人形

問題は、費用だけではありません。結婚準備というプロセスそのものが、いかに無駄とストレスに満ちているか。その本質は「二人の未来のための準備」ではなく、「他人からの評価を得るための準備」に成り下がっている点にあります。

① 思考停止を招く、延々と続く打ち合わせ

式場を決めると、プランナーとの打ち合わせが始まります。彼らはプロです。プロの営業マンです。巧みな話術で次々と高額なオプションを提案し、「皆様、普通はこちらを選ばれますよ」という同調圧力で、あなたの金銭感覚を麻痺させていきます。あなたは、本当に自分たちの意思で決めていますか?それとも、ただ言われるがままにハンコを押すだけの、思考停止状態に陥っていませんか?

② 人間関係のストレスを増幅させるだけの招待客リスト

「この人は呼ぶべきか」「あの人は呼びたくない」。会社の上司、義理で付き合っている友人、関係の良くない親戚。招待客リストの作成は、これまでの人間関係の歪みが一気に噴出する、地獄のような作業です。なぜ、自分たちの門出を祝うイベントで、これほどまでに人間関係のストレスを抱え込まなければならないのでしょうか。

③ 「手作り」という名の、時間の無駄遣い

招待状、席次表、プロフィールムービー。「費用を節約するために」という大義名分のもと、貴重な休日を潰して、慣れない作業に没頭する。美しい話に聞こえますか?私には、本末転倒にしか見えません。その何十時間という時間があれば、もっと二人の将来のために話し合うべき、重要なテーマがあったはずです。

結局、これらの努力の多くは、誰に向けられているのでしょうか。それは、二人自身の幸せのためではありません。「SNSでたくさんの『いいね!』がもらえるか」「親や親戚に『立派な式だった』と褒められるか」「友人から『センスがいい』と思われるか」。そのベクトルは、常に外側、他人に向いています。自分たちの人生の主役であるはずのあなたが、いつの間にか、世間体という名の観客の顔色をうかがう、哀れな操り人形になっているのです。

離婚理由ランキングが暴く「結婚準備」の致命的な欠陥

ここで、司法統計を見てみましょう。毎年発表される離婚申し立ての動機ランキング。その上位は、いつだって同じ顔ぶれです。

1位:性格の不一致
2位:生活費を渡さない
3位:精神的に虐待する

さて、結婚準備に浮かれていたあなたに、厳しい質問をします。

結婚式のBGMを何にするか、何時間も悩みましたね。ドレスの色や形を巡って、パートナーと喧嘩までしましたね。では、お互いの「金銭感覚のズレ」について、どれだけ真剣に話し合いましたか?「生活費を渡さない」という事態を避けるために、具体的な家計管理のルールを決めましたか?家事や育児の分担について、もし意見が対立した場合の解決策を、具体的にシミュレーションしましたか?

おそらく、していないでしょう。なぜなら、結婚準備というイベントは、そうした地味で、時には気まずくなるような、しかし極めて重要な対話を、巧みに後回しにさせるように設計されているからです。キラキラした非日常の計画に没頭させ、これから始まる退屈で、面倒で、厳しい日常から、目をそむけさせるのです。

結婚準備とは、本来、お祭り騒ぎの計画ではありません。これから何十年も続く「共同生活」という、人生最大のプロジェクトの、最も重要なキックオフミーティングであるべきなのです。そこで議題にすべきは、装花の色ではなく、お互いの価値観という名の「設計図」のすり合わせのはずです。

では、本当にすべき「結婚準備」とは何か?

「じゃあ、一体何をすればいいんだ」という声が聞こえます。答えはシンプルです。ブライダル情報誌を今すぐゴミ箱に捨て、代わりに、二人で以下の「地味で本質的な会議」を、今すぐ始めてください。これが、300万円の結婚式よりも、よほどあなたの未来を守る、最強の準備です。

準備①:究極のマネー・カンファレンス(金銭会議)

まず、お互いの「資産」と「負債」を、1円単位で全て開示してください。預貯金、株式、保険。そして、奨学金、カードローン、借金。全てです。これをできない相手とは、結婚すべきではありません。その上で、今後の家計管理のルールを、超具体的に決めます。財布は一つにするのか、別々にするのか。毎月の生活費の内訳は?お互いのお小遣いはいくらか?将来の目標(住宅購入、子育て費用、老後資金)のために、毎月いくら、どのように貯蓄していくのか。この会議こそ、結婚準備の最重要項目です。

準備②:最悪のシナリオ・シミュレーション

次に、考えうる限りの「最悪の事態」を想定し、その対策を話し合ってください。もし、一方がリストラされたら?大病を患って働けなくなったら?お互いの親が倒れ、介護が必要になったら?もし、子どもができなかったら?あるいは、もし子どもに障がいがあったら?目を背けたくなるようなテーマばかりです。しかし、これらのリスクから目をそむけたまま結婚するのは、羅針盤も海図も持たずに、嵐の海に小舟で漕ぎ出すようなものです。

準備③:家事・育児の完全分担マニュアル作成

「気づいた方がやる」「得意な方がやればいい」。こうした曖昧なルールは、数ヶ月で必ず破綻し、憎しみ合いの火種になります。「ゴミ出し」「風呂掃除」といった分かりやすい家事だけではありません。「トイレットペーパーの補充」「子どもの連絡帳の確認」「親戚への季節の挨拶」といった「名もなき家事」を全てリストアップし、どちらが主担当で、どちらが副担当なのかを、明確に文書化してください。これこそが、未来の家庭内不和を防ぐ、最も効果的な契約書です。

結論:あなたの人生の主役は、あなた以外にいない

結婚準備とは、ブライダル業界が、愛と感動、そして世間体という名の弱みにつけ込んで仕掛けた、壮大な集金システムです。その熱狂と感動ポルノから一歩引き、冷静な目で自分たちの状況を見つめる勇気を持ってください。

あなたが今、選択を迫られているのは、こういうことです。

何百万円という大金をはたいて、たった1日の「思い出」という名の蜃気楼を買い、友人たちの「いいね!」に満足しますか?

それとも、そのお金と時間を、これから始まる何十年という現実の生活の「土台」を固めるために、賢く投資しますか?

どちらが、本当の意味で二人の未来を幸せにするか。賢明なあなたなら、もうお分かりのはずです。世間の常識や他人の評価など、気にする必要はありません。あなたの人生の主役は、あなたたち二人なのですから。

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