“財布別”は離婚率が高いって本当?データで徹底比較!「別々派」vs「共有派」あなたに合う夫婦の家計管理とは

【この記事はこんな方に向けて書いています】

  • 結婚を控えていて、お金の管理方法をどうするかパートナーと話し合っている
  • 現在、夫婦で財布を別にしているが、本当にこのままで良いのか不安に感じている
  • 夫婦でお金の価値観が違い、家計管理が上手くいっていない
  • 「お小遣い制」は窮屈だけど、「財布別」だとお金が貯まるか心配
  • 自分たち夫婦にピッタリ合った、ストレスのない家計管理の方法を見つけたい

「愛さえあれば、お金の問題なんて乗り越えられる」 結婚前は、誰もがそう信じたいものです。しかし、残念ながら、結婚生活という長い旅路において、「お金」は、時に愛情以上にリアルで、避けては通れない最重要テーマの一つです。

そして、多くのカップルが最初に直面する大きな壁が、「夫婦の財布、一緒にする?それとも、別々のまま?」という、究極の選択ではないでしょうか。

「お互い働いているんだから、自由にお金を使いたい」と考える、自立志向の“財布別々派”。 「二人で協力して、将来のために貯蓄したい」と考える、運命共同体の“財布共有派”。

どちらの言い分も、もっともです。そして、どちらのスタイルにも、輝かしいメリットと、見過ごせない落とし穴が存在します。この記事では、最新のデータや専門家の意見を基に、この永遠の論争に終止符を打つべく、両者を徹底的に比較・解説していきます。この記事を読めば、あなたたち夫婦にとって、本当に幸せになれる「お金のカタチ」が、きっと見つかるはずです。

多数派はどっち?イマドキ夫婦の家計管理、そのリアルな実態

まず、現代の夫婦が、実際にお金をどう管理しているのか、最新のデータから見ていきましょう。

リクルートが毎年発表している「ゼクシィ結婚トレンド調査2023」によると、夫婦の家計管理の分担方法は、以下のようになっています。

  • 夫または妻のどちらか一方の収入で、すべてをまかなう:22.7%
  • お互いの収入をすべて合わせて、そこから生活費などをまかなう(共有派):36.2%
  • お互い一定額を出し合って、そこから生活費などをまかなう(ハイブリッド派):30.3%
  • 項目ごとに、支払う人を決めている(別々派):8.5%

このデータから分かるのは、完全に財布を共有する「共有派」が依然として最も多いものの、お互い一定額を出し合う「ハイブリッド派」がそれに迫る勢いで増えているということです。共働き世帯が一般的になったことで、完全に財布を別にするか、一緒にするか、という二元論ではなく、両方の“良いとこ取り”をする夫婦が主流になりつつあることがうかがえます。

“財布共有派”(お小遣い制など)のメリットと、潜む「落とし穴」

まずは、昔ながらの「財布共有派」のスタイルから、詳しく見ていきましょう。これは、夫婦の給料を一度すべて一つの口座に集約し、そこから生活費や貯蓄を捻出し、残りを夫婦それぞれがお小遣いとして受け取る、といった管理方法です。

メリット

  • 1. 貯蓄計画が立てやすく、お金が貯まりやすい 家計全体の収入と支出がガラス張りになるため、どこに無駄があるのかが一目瞭然です。そのため、「住宅購入のために、あと〇年で〇〇〇万円貯める」といった、夫婦共通の目標に向けた貯蓄計画が立てやすく、実行しやすいのが最大のメリットです。
  • 2. 夫婦としての一体感が生まれる 「二人で、この家計を支えているんだ」という意識が強まります。収入の多い少ないに関わらず、一つの目標に向かって協力する“運命共同体”としての一体感や連帯感が生まれ、夫婦の絆を深める効果も期待できます。
  • 3. 収入差があっても不公平感が少ない 夫婦間に収入の差があっても、「家計」という一つのプールにお金を入れるため、不公平感が生まれにくいのも特徴です。産休・育休で一時的に収入が減ったり、どちらかがキャリアチェンジで収入が下がったりした場合でも、柔軟に対応できます。

デメリット(落とし穴)

  • 1. 自由にお金が使えないストレス 最大のデメリットは、やはり「不自由さ」でしょう。決められたお小遣いの範囲内でしか、自分のお金を自由に使えません。趣味や自己投資、友人との交際費など、相手に気兼ねして、本当に使いたいところにお金を使えないストレスは、想像以上に大きいものです。
  • 2. 管理している側に、負担と権力が集中する どちらか一方が家計を管理する場合、その人に大きな負担がかかります。また、お金を管理する側に権力が集中し、「家計を握っている方が偉い」といった、パワーバランスの歪みを生む可能性もはらんでいます。

“財布別々派”のメリットと、見過ごせない「危険性」

次に、共働き夫婦を中心に増えている「財布別々派」のスタイルです。これは、お互いの給料はそれぞれが管理し、家賃や光熱費などの共通の支出項目を分担して支払う、といった管理方法です。

メリット

  • 1. 精神的な自立と自由を、結婚後も保てる 自分の稼いだお金を、自分の裁量で自由に使える。これは、何物にも代えがたい精神的な満足感をもたらします。相手の許可を得ることなく、好きな洋服を買ったり、趣味にお金を使ったりできるため、結婚前と変わらない自由な感覚を維持できます。
  • 2. 対等なパートナーとしての関係を築きやすい 夫婦それぞれが経済的に自立しているため、どちらかが一方的に依存する、という関係になりにくいのが特徴です。「養ってやっている」「養ってもらっている」といった意識が生まれにくく、対等なパートナーとしての関係を築きやすいと言えます。
  • 3. 相手の浪費に巻き込まれるリスクが低い もし、パートナーが浪費家だったり、借金癖があったりした場合でも、自分の資産は守られます。相手の金銭感覚に、自分の人生が振り回されるリスクを低減できます。

デメリット(危険性)

  • 1. 気づいたら貯蓄ゼロ、という最悪の事態 別々派の最大のリスクは、貯蓄が全く進まない可能性があることです。「相手が貯めているだろう」「自分はこれくらい使っても大丈夫だろう」という、お互いの甘えが生まれやすく、共通の貯蓄目標も曖昧になりがち。気づいた時には、二人とも全く貯蓄ができておらず、住宅購入や子どもの教育資金といったライフイベントに対応できない、という最悪のケースも考えられます。
  • 2. 夫婦間に「見えない経済格差」が生まれる 夫婦の収入に大きな差がある場合、片方は自由に使えるお金がたくさんあり、もう片方はカツカツの生活、という「見えない経済格差」が生まれます。これが、「自分ばかり負担している」「相手は楽をしていてずるい」といった、深刻な不公平感や心の溝を生む原因になります。
  • 3. 夫婦というより「同居人」になってしまう お金の話がタブーになりやすく、「家計」という共同作業がなくなるため、夫婦の一体感が失われがちです。お互いの経済状況に関心を持たず、ただ生活費を分担するだけの関係は、夫婦というよりは、単なる「同居人」や「ルームメイト」に近くなってしまう危険性をはらんでいます。

専門家が警鐘。「財布別」は離婚に繋がりやすい、は本当か?

さて、ここでこの記事のタイトルにもある、核心に迫りましょう。まことしやかに囁かれる、「財布が別々の夫婦は、離婚しやすい」という説は、果たして本当なのでしょうか。

司法統計によると、離婚調停の申立て動機として、「生活費を渡さない」という経済的な理由が常に上位にランクインしています。また、直接的な動機でなくても、「性格の不一致」の裏には、お金に対する価値観のズレが隠れているケースが非常に多い、と多くの離婚カウンセラーや弁護士が指摘しています。

この観点から見ると、「財布別々派」は、夫婦間でお金について話し合う機会が構造的に少なくなるため、価値観のズレに気づくのが遅れがちです。問題が潜在化し、いざ住宅購入や子どもの進学といった大きな決断の場面で、初めてお互いの貯蓄額や金銭感覚の違いが明らかになり、修復不可能な亀裂が入ってしまう、というリスクが高いと言えます。

ただし、重要なのは、「財布別という形式が、直接離婚を引き起こすわけではない」ということです。真の原因は、形式に関わらず、夫婦の間で「お金に関するオープンなコミュニケーション」が不足していることにあります。

もう迷わない!私たちにピッタリな「ハイブリッド家計管理術」

では、どうすれば良いのでしょうか。結論として、専門家の多くが推奨しているのが、どちらかのメリットだけを取るのではなく、両方の良いとこ取りをした**「ハイブリッド型」**の家計管理です。具体的に、3つのモデルをご紹介します。

提案1:「共通口座」活用型

最もシンプルで、導入しやすいのがこの方法です。 夫婦それぞれの給料から、毎月決まった額(例えば、手取りの50%や、固定で15万円ずつなど)を、新しく作った「共通口座」に入金します。 家賃、光熱費、食費、通信費など、二人で生活していく上で必要な固定費は、すべてこの共通口座から支払います。そして、残ったお金は、それぞれが自由に使えるお小遣いとして、各自の口座で管理します。 これにより、「貯蓄のしやすさ(共有派のメリット)」と「自由なお金の確保(別々派のメリット)」を両立できます。

提案2:「項目別担当」型

これは、支出の項目ごとに、支払いの担当者を決める方法です。 例えば、「家賃と水道光熱費は夫」「食費と日用品、通信費は妻」といった具合です。 この方法のポイントは、お互いの収入額に応じて、負担する項目の金額を調整し、不公平感が出ないようにすることです。定期的に担当項目を見直し、柔軟に変化させていくことが、上手く続けるコツです。

提案3:「オールインワンお小遣い」型

これは、「共有派」に近いですが、お互いの自由を最大限に尊重したモデルです。 一旦、夫婦の給料をすべて一つの口座に集約します。そこから、毎月の固定費と、決まった額の貯蓄を先に天引きします。そして、残った金額を、夫婦で公平に分配し、それぞれのお小遣いとします。 この方法なら、家計全体を把握しつつ、貯蓄もしっかりでき、さらにお互いが同額の自由なお金を持つことができます。収入差がある夫婦でも、不公平感が生まれにくいのが最大のメリットです。

夫婦の財布の形に、たった一つの「正解」はありません。「共有派」が合う夫婦もいれば、「別々派」の方が上手くいく夫婦もいます。 最も大切なのは、その「形式」を選ぶこと自体ではありません。

最も大切なのは、お金について、日頃からオープンに、そして正直に話し合える「風通しの良い関係」を、二人の間に築いておくことです。 月に一度、「家計会議」の日を決めて、お互いの状況を報告し合う。それだけでも、多くの問題は未然に防げるはずです。 お金は、使い方次第で、夫婦の絆を壊す凶器にも、未来を共に創るための最高のツールにもなります。どうか、あなたたち夫婦にとって、最高のツールとなるような「お金のカタチ」を見つけてください。

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