
【この記事はこんな方に向けて書いています】
- 好きな人のためなら、とことん尽くしてしまう方
- 「尽くしているのに、なぜか大切にされない」と感じている方
- 恋愛で、いつも自分が我慢してばかりいると感じる方
- 良かれと思った行動が裏目に出て、後悔した経験があるすべての方へ
好きな人の喜ぶ顔が見たいから、毎日手料理を作る。疲れている彼のために、部屋を完璧に掃除しておく。頼まれなくても、身の回りの世話を焼いてしまう。
その献身的な姿は、一見すると「愛情深い人」そのものに見えるかもしれません。あなた自身も、「これだけ尽くせば、きっと彼(彼女)も私を愛してくれるはず」と、信じているのではないでしょうか。
しかし、今日はあなたに、極めて残酷で、耳を塞ぎたくなるような真実をお伝えしなければなりません。
あなたが良かれと思ってやっているその「尽くす行為」は、相手の愛を育むどころか、むしろ猛スピードで冷めさせ、あなた自身を不幸のどん底に突き落とす、最強の“毒”なのです。
これは脅しではありません。恋愛における、普遍的な人間心理のメカニズムです。この記事では、なぜあなたの「美しい自己犠牲」が、必ず後悔と破局に終わるのか。その誰も教えてくれなかった残酷な理由を5つに分けて、徹底的に解剖していきます。自分の恋愛パターンに心当たりがある人ほど、覚悟して読んでください。
大前提:「尽くすこと」と「愛すること」は全くの別物である
本題に入る前に、まずあなたの凝り固まった価値観を、一度ハンマーで叩き割る必要があります。「尽くすこと」イコール「愛すること」という、その巨大な勘違いを正すことから始めましょう。
「愛すること」とは、何でしょうか。 それは、相手の人格を尊重し、一人の自立した個人として認め、対等な立場で支え合うことです。相手の成長を心から願い、時には厳しく見守ることも含みます。二人が、それぞれ自分の足で立った上で、手を取り合って未来へ進んでいくイメージです。
では、「尽くすこと」とは、何でしょうか。 それは、相手と自分の境界線を曖昧にし、過剰に相手を優先し、自己犠牲を伴う行為です。そして、最も厄介なのは、その行為の裏には、ほとんどの場合、「これだけやってあげているのだから、あなたも私を愛してね」という、無意識の“見返りを求める心”が隠れていることです。
つまり、「尽くす」という行為は、相手のためと見せかけた、自分の不安を埋めるための自己満足。相手をコントロールしようとする、歪んだ支配欲の表れに他ならないのです。この根本的な違いを理解しない限り、あなたは永遠に報われない恋を繰り返すことになります。
あなたが尽くすほど愛が冷める、残酷な理由5選
まだ納得できませんか?では、あなたが尽くせば尽くすほど、二人の関係が確実に破滅へと向かう、具体的な5つの理由を突きつけていきましょう。
理由1:相手を「無能な子供」にしてしまうから
あなたが甲斐甲斐しく尽くせば尽くすほど、相手は自分で何かをする必要がなくなります。
お腹が空けば、あなたがご飯を作ってくれる。 部屋が散らかれば、あなたが片付けてくれる。 忘れ物をすれば、あなたが届けてくれる。
あなたが先回りして全てをやってしまうことで、相手は、自分で考えて行動する能力、問題を解決する能力を、どんどん失っていきます。あなたは良かれと思ってやっているのでしょうが、その実、相手を生活能力のない「無能な子供」へと育て上げているのです。
そして、ここからが本当の地獄です。人は、自分が心から尊敬できない相手を、異性として愛し続けることはできません。あなたが「ダメな子ねぇ」と世話を焼いているその相手は、いつしかあなたを母親のようにしか見られなくなります。
皮肉な話だと思いませんか? あなたが愛するがゆえに尽くした結果、相手を異性としての魅力がない、ただの子供にしてしまい、結果として愛されなくなる。この最悪のマッチポンプを、あなたは自ら行っているのです。
理由2:あなたの「価値」が、驚くほど低くなるから
経済学に「限界効用逓減の法則」というものがあります。すごく簡単に言うと、「一杯目のビールは最高に美味いが、十杯目になると、もはや最初の感動はない」という話です。どんなに価値があるものでも、供給されすぎると、一回あたりのありがたみ(効用)は減っていくのです。
あなたの「尽くす行為」も、これと全く同じです。 付き合い始めの頃、あなたが作ってくれた手料理に、相手は心から感動し、「ありがとう」と言ったでしょう。しかし、それが毎日、当たり前のように提供され続けたらどうなるか。
「今日もご飯がある。当たり前だ」
感謝は消え、感動は薄れ、あなたの行為は「日常の風景」の一部と化します。そして恐ろしいことに、あなたが一度でもそれをやめると、「え、今日ご飯ないの?」と、感謝どころか不満を口にするようにさえなるのです。
あなたの価値は、あなた自身の手によって、凄まじい勢いでインフレを起こし、暴落していく。尽くせば尽くすほど、あなたは「特別な恋人」から、「便利な家政婦」あるいは「都合のいい母親」へと、その価値を格下げされていくのです。誰も、コンビニの店員さんに恋をしないのと同じ理屈です。いつでも手に入るものに、人は価値を感じないのです。
理由3:相手に「罪悪感」という名の毒を飲ませるから
あなたが一方的に尽くし続ける関係は、相手の心に、ゆっくりと、しかし確実に「毒」を盛っていくことになります。その毒の名前は、「罪悪感」です。
よほど無神経な人間でない限り、一方的に与えられ続ける状況は、居心地が悪いものです。 「自分はこんなに尽くしてもらっているのに、同じだけ返せていない…」 「彼女(彼)の期待に応えられていない、自分はダメな人間だ…」
この「負い目」や「罪悪感」は、やがて息苦しい「重圧」へと変わります。あなたと一緒にいることが、まるで自分の不甲斐なさを突きつけられているような、苦痛な時間になっていくのです。
人は、自分を惨めな気持ちにさせる人間のそばには、いたくありません。あなたのその献身的な善意が、結果的に相手を精神的に追い詰め、その息苦しさから逃れるために、あなたから去っていくという最悪の結末を迎えるのです。あなたは良かれと思って栄養ドリンクを渡し続けたつもりが、相手にとってはそれが毒薬だった、というわけです。
理由4:あなた自身が「不満を溜め込む時限爆弾」になるから
「私は、見返りなんて求めてないから」
尽くすタイプの人が、決まって口にするセリフです。しかし、胸に手を当てて、自分に嘘偽りなく問いかけてみてください。本当に、何も求めていませんか?
「これだけやってあげてるんだから、もっと私のことを大切にしてほしい」 「こんなに我慢してるんだから、私の気持ちを察してほしい」
心の奥の奥では、そんな悲痛な叫びが渦巻いているはずです。その声に蓋をして自己犠牲を続けると、あなたの心の中には、満たされない期待が「不満」という名のマグマとなって、どんどん蓄積されていきます。
そして、ある日、何かの些細なきっかけで、そのマグマは限界を迎え、大噴火を起こします。
「私が今まで、どれだけ我慢してきたと思ってるの!」
相手からすれば、たまったものではありません。頼んでもいないことをあなたが勝手にやり始め、勝手に期待し、勝手に不満を溜め、そして勝手に爆発する。こんな理不尽な話はありません。この爆発によって、二人の関係は修復不可能なほどに破壊されるケースが後を絶ちません。
理由5:あなたの「人間的魅力」が失われるから
あなたの人生の時間は、24時間しかありません。その貴重な時間を、どこに投資していますか?
相手に尽くすことに夢中になるあまり、あなたは自分の人生を疎かにしていませんか? 仕事への情熱、自分の趣味、大切な友人との時間。それら全てを犠牲にして、恋愛だけに全エネルギーを注いでいるとしたら、それは極めて危険な兆候です。
なぜなら、相手のことしか考えていないあなたは、人間としての「厚み」や「深み」を失ってしまうからです。あなたと話していても、話題はいつも相手のことばかり。あなた自身の世界がないため、新しい刺激も、面白い発見もありません。
人は、自分にはない世界を持ち、そこで生き生きと輝いている人にこそ、強い魅力を感じるものです。あなたが相手に尽くすことに没頭すればするほど、あなたは「恋人」という役割しかない、退屈な人間になっていく。そして、人間的魅力を失ったあなたに、相手はいずれ、飽きてしまうのです。
不幸な「尽くす人」から、愛される「支える人」へ
では、もう何もしない方がいいのか?というと、そういうわけではありません。 あなたが目指すべきは、「尽くす人」ではなく、「支える人」です。この二つは、似ているようで全く違います。
「尽くす」とは、相手が何も言わなくても、先回りしてやってあげる“過保護”です。 「支える」とは、相手が本当に困り、助けを求めてきた時に、そっと手を貸してあげる“サポート”です。
「尽くす」とは、相手を管理し、自分に依存させようとすることです。 「支える」とは、相手の力を信じ、その自立を見守ることです。
「尽くす」とは、自分の人生を犠牲にすることです。 「支える」とは、自分の人生を大切にした上で、余力で相手を助けることです。
これからは、何でもやってあげるのをやめてみてください。相手に「やらせる」勇気を持ってください。そして、あなたがまず、自分の人生を全力で楽しむことに集中してください。
本当の愛とは、どちらかが犠牲になる、アンバランスなシーソーゲームではありません。 対等な二人の人間が、それぞれの人生を尊重し、時には助け合いながら、共に成長していく、美しいパートナーシップです。
あなたが、あなた自身の人生の主役として輝き始めた時、相手は、そんなあなたを手放したくない、唯一無二の存在だと、改めて気づくことになるでしょう。自己犠牲の先に、幸せな未来は絶対にありません。
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