
【この記事はこんな方に向けて書いています】
・結婚相談所のカウンセラーの言うことに、どこか違和感がある方
・「あなたのため」という言葉を信じきれない方
・婚活に疲れ、何が正しいのか分からなくなってしまった方
・データに基づいた、本質的な婚活の戦い方を知りたい方
高いお金を払って、人生を賭けて入会した結婚相談所。そこで待ち受ける「婚活のプロ」であるカウンセラーの言葉に、あなたはどれだけ心を揺さぶられてきましたか?「もっと積極的に」「理想を少し下げましょう」「あなたが変わらないと」…耳にタコができるほど、聞かされたかもしれません。
しかし、そのアドバイスに、心のどこかで「本当にそうなの?」と冷めた目で見てしまう自分がいませんか。その感覚、絶対に間違っていません。むしろ、それこそが正常な思考の証です。
なぜなら、彼らカウンセラーが語る男女観や婚活論の多くは、残念ながら論理的に破綻しているからです。この記事では、なぜ私が結婚相談所のカウンセラーがしたり顔で男女を語るのを見ると、思わず鼻で笑ってしまうのか。その理由を、徹底的に、ロジカルに、そして一切の忖度なく暴き尽くします。読み終えた時、あなたの心にかかっていた霧は晴れ、自分が進むべき道がはっきりと見えるはずです。
時代遅れの恋愛観と「普通」という名の呪い
まず、 laughable(笑ってしまう)な理由の第一がこれです。多くのカウンセラーが振りかざす男女観は、正直なところ、化石レベルで時代遅れです。彼らの頭の中は、いまだに昭和のトレンディドラマか、平成初期の価値観で止まっているケースが驚くほど多いのです。
「男性は女性をリードして当たり前」「女性は一歩引いて男性を立てるべき」「年収は最低でもこれくらいないと普通じゃない」「女性はクリスマスケーキ。25を過ぎたら価値が下がる」…こうした言葉の節々に滲み出る、古色蒼然とした価値観。あなたも一度は感じたことがあるはずです。
ここで、冷徹なデータを見てみましょう。労働政策研究・研修機構の調査によると、1997年に共働き世帯数が専業主婦世帯数を上回り、2023年には共働き世帯が約1278万世帯に対し、男性雇用者と無業の妻からなる世帯(いわゆる専業主婦世帯)はわずか517万世帯です。もはやダブルスコア以上の大差をつけて、共働きが「普通」の時代なのです。
にもかかわらず、「女性は家庭を守るもの」といった前提でアドバイスをしてくるカウンセラーがいるとしたら、それはもうコメディです。また、厚生労働省の人口動態統計によれば、2022年の平均初婚年齢は夫が31.1歳、妻が29.7歳。1980年(夫27.8歳、妻25.2歳)から、男女ともに3〜4歳も上昇しています。女性の大学進学率も50%を超え、キャリアを築くのが当たり前の時代に、「若さ」だけを武器に戦えと言うのは、あまりにも無策で無責任です。
彼らの言う「普通」とは、彼らが生きてきた時代の、極めて狭いコミュニティの中での「普通」でしかありません。多様化する現代のライフスタイルや価値観を全くアップデートできていないのです。そんな古びた地図を渡されて、現代の複雑な婚活航路を渡れるわけがありません。彼らの言葉を真に受けるのは、遭難しに行くようなものです。
「あなたの幸せ」より「成婚料」。ビジネスモデルという不都合な真実
理由の二つ目は、より構造的で、根深い問題です。それは、結婚相談所というビジネスモデルそのものに起因します。はっきり言いますが、彼らの第一目標は「あなたの幸せな結婚」ではありません。「成婚という名の契約を完了させ、成婚料を得ること」です。
これを理解しないまま婚活を進めるのは、カモがネギを背負って猟師のいる山に入るようなものです。結婚相談所の多くは、入会金や月会費に加え、成婚時に数十万円単位の「成婚料」が発生する料金体系を採用しています。カウンセラーの評価や給与は、この成婚実績に直結しているケースがほとんどです。
さて、あなたがカウンセラーの立場だったらどう考えますか?会員一人ひとりの複雑な価値観や人生設計に深く寄り添い、長期的な視点で最高のパートナーを見つける手助けをしますか?それとも、とにかく早く、文句を言わなさそうな相手とマッチングさせ、さっさと「成婚退会」というゴールテープを切らせますか?
答えは明白です。ビジネスである以上、後者にインセンティブが働くのは当然の構造なのです。だから彼らは、あなたに「妥協」を促します。「このくらいの条件の人は人気だから、早く決めないと後悔しますよ」「少し気になる点はあるかもしれないけど、会ってみないと分かりませんから」…これらの言葉は、あなたの背中を押しているように見えて、実態は自分たちの営業成績のためにあなたを急かしているだけです。
さらに悪質なのは「成婚率」のカラクリです。実はこの「成婚」の定義、業界で統一されていません。「プロポーズを受けたら」というところもあれば、「結婚を前提とした真剣交際に進んだら」という段階で成婚と見なす相談所すらあります。つまり、見せかけの成婚率を高く見せるためのトリックがまかり通っているのです。
あなたの人生の重大な決断が、彼らのビジネスの駒として扱われている。この不都合な真実から目を背けてはいけません。彼らの言葉は常に「この発言の裏にある営業的な意図は何か?」と翻訳しながら聞くくらいの冷静さが必要です。
データを無視したポジショントークと無責任な精神論
そして、私が最も滑稽だと感じるのが三つ目の理由です。彼らのアドバイスのほとんどは、客観的なデータに基づかない、単なる「ポジショントーク」と「精神論」だからです。
婚活は、紛れもなく「市場」です。そこには需要と供給があり、年齢、年収、学歴、容姿といった要素が、残念ながら市場価値として機能する冷徹な現実があります。この現実を直視せずして、有効な戦略など立てられるはずがありません。
例えば、2020年の国勢調査を見てみましょう。35歳〜39歳男性の未婚率は34.5%です。これが何を意味するか。同年代の男性の3人に1人は未婚なのです。しかし、この中には年収やその他の条件で、婚活市場では厳しい立場に置かれる層も当然含まれます。カウンセラーが「年収600万円以上の男性がいい」という女性会員の希望に対し、「高望みです」と一蹴するのは簡単です。しかし、では実際にその年収層の未婚男性が市場に何%存在し、そのうち何%があなたをパートナー候補として見る可能性があるのか。そうしたデータに基づいた分析を彼らがしてくれることは、まずありません。
彼らが口にするのは、「あなた自身が輝けば、素敵な人が現れます」「感謝の気持ちを忘れずに」「前向きな姿勢が大事です」といった、耳障りの良い、しかし何の具体性もない精神論ばかりです。なぜなら、残酷なデータを突きつけて会員の心を折るよりも、精神論で気分良く活動させ続けた方が、月会費を払い続けてくれるからです。
彼らのアドバイスは、突き詰めれば「私はあなたたちのことを見てきた専門家だ」という立場から語られるポジショントークに過ぎません。自分の成功体験や、うまくいった少数の事例を一般化し、あたかもそれが唯一の正解であるかのように語るのです。それは「論理」ではなく「権威」による説得であり、極めて無責任な態度です。
では、私たちはどうすればいいのか?- 自分の人生の主導権を握るために
ここまで読んで、絶望的な気分になったかもしれません。「じゃあ、もう結婚相談所なんて意味ないじゃないか」と。しかし、そう結論付けるのは早計です。重要なのは、あなたが絶望することではなく、賢い消費者、賢いプレイヤーになることです。カウンセラーの呪縛から逃れ、自分の人生の主導権を握るために、今すぐやるべきことがあります。
それは、「結婚相談所を使い倒す」というマインドセットを持つことです。カウンセラーは、崇めるべき「先生」ではありません。あなたが雇った「エージェント」か「秘書」です。彼らはあなたにアドバイスをする立場ではなく、あなたが目標を達成するための「ツール」を提供する立場に過ぎないのです。
そのために、まず徹底的に「自己分析」と「市場分析」を自分自身で行ってください。公的な統計データ(国勢調査など)を調べ、自分の年齢、年収、スペックが市場でどの位置にあるのかを客観的に把握するのです。そして、自分が本当に譲れない価値観は何か、どこまでなら許容できるのかを、カウンセラーに言われる前に自分で明確に言語化しておくのです。
その上で、相談所が提供する「会員データベース」という最大のメリットを、自分の意思で、戦略的に活用するのです。お見合いの申し込みも、交際判断も、すべてあなた自身がCEOとして下す。カウンセラーには「この条件の人をリストアップしてください」「この方との面談日程を調整してください」と、あくまで事務的な指示を出すくらいの気概で臨むべきです。
彼らの精神論や時代錯誤なアドバイスは、BGM程度に聞き流せばいい。感情的になる必要も、反論する必要もありません。「なるほど、そういう考え方もあるんですね」と笑顔で受け流し、自分の戦略を着々と進めればいいのです。
あなたの人生の責任者は、カウンセラーではありません。親でも友人でもありません。あなた自身です。その当たり前の事実を、心の中心に据えてください。そうすれば、他人の無責任な言葉に振り回されることはなくなり、婚活のストレスは驚くほど軽減されるはずです。自分で考え、自分で決断し、自分で行動する。その先にしか、あなたが本当に納得できる未来はありません。
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