【20代の現実逃避】結婚相談所は“努力からの逃げ”です。安全地帯に数十万払う前に聞くべき話

【この記事はこんな方に向けて書いています】
・20代で結婚相談所への入会を真剣に検討している方
・恋愛に自信がなく、自然な出会いの場で一歩を踏み出すのが怖いと感じている方
・「タイパ（タイムパフォーマンス）」を重視し、効率的に結婚相手を見つけたいと考えている方
・自分を磨く努力が面倒で、お金で解決できるならそうしたいと心のどこかで思っている方 }
・厳しい意見でもいいから、目を覚まさせてほしいと願っている方

20代で結婚相談所への入会を考えている。なるほど、合理的で、賢明な判断だと自分に言い聞かせていることでしょう。「若いうちの方が有利だから」「タイパがいいから」「身元が確かな人と出会いたいから」。それらしい理由は、いくらでも後付けできますね。

しかし、その胸に手を当てて、心の奥底にある本当の動機と向き合ってみてください。その決断は、本当にあなたの未来への積極的な「投資」ですか？それとも、あなたが本来向き合うべき、面倒で、痛みを伴う現実からの、巧妙で代償の大きな「逃げ」ではありませんか？

今日は、あなたを慰めません。同情もしません。なぜなら、あなたが今やろうとしていることは、自分の成長の可能性に蓋をし、人生の最も重要な経験学習を放棄する行為に他ならないからです。今日は、あなたがなぜ「逃げ」ているのか、その構造を徹底的に解剖し、本当の意味であなたの人生を前進させるための、少し苦い薬をお渡しします。

なぜ「逃げ」なのか？あなたが目を背けている3つの現実

まず、はっきりと断言します。20代で安易に結婚相談所に駆け込むという行為は、その本質において、紛れもない「逃げ」の戦略です。あなたが目を背けている、3つの厳しい現実から、あなたは逃げようとしているのです。

逃げ①：「自分を磨く」という地道な努力からの逃げ

20代とは、あなたの人生の土台を築く、最も重要で、最も輝かしい10年間です。仕事に打ち込み、専門性を高める。読書や旅を通じて、教養と見聞を広める。趣味に没頭し、自分の世界を深める。そうした地道な努力の積み重ねが、あなたという人間の厚み、つまり「人間的魅力」を形作るのです。

しかし、結婚相談所への入会は、その最も重要なプロセスをショートカットしようとする行為です。自分を磨き、内面から滲み出る魅力で人を惹きつけるという、王道にして唯一の正攻法。その面倒な努力を放棄し、「20代」という、いずれ失われる時限的なスペックだけを武器に、お金で「出会い」という結果だけを買おうとしている。その入会金は、自分磨きをサボるための「免罪符」ではありませんか？成長の機会を自らドブに捨てる行為に、何十万円も払う価値が、本当にあるのでしょうか。

逃げ②：「傷つくかもしれない」という恋愛のリアルからの逃げ

自然な出会いから始まる恋愛とは、本来、非効率で、理不尽で、面倒なことの連続です。勇気を出して声をかける。意図が伝わらず空回りする。LINEの返信に一喜一憂する。そして、時には無様に振られて、プライドもろとも傷つく。

結婚相談所は、そうした恋愛の生々しいプロセスを、可能な限り排除してくれる、極めて安全な「無菌室」です。お互いに「結婚」という目的が一致しており、間にカウンセラーという緩衝材もいる。無様に傷つくリスクは、最小限に抑えられています。

しかし、思い出してください。あなたがこれまで人間的に成長できたのは、どんな時でしたか？それは、失敗し、傷つき、悔しい思いをした時ではなかったでしょうか。失恋の痛みこそが、人を見る目を養い、コミュニケーションの機微を教え、他人の痛みが分かる優しい人間へとあなたを育ててくれるのです。傷つくことを恐れて安全地帯に逃げ込むのは、人生という名の冒険で、最も価値のある宝が眠る洞窟を、自ら避けて通るようなものです。

逃げ③：「自分の市場価値」と本気で向き合うことから来る現実からの逃げ

あなたは、結婚相談所以外の「現実世界」という市場で、異性から見てどれほど魅力的ですか？この厳しい問いに、あなたは即答できますか？

多くの人が、この問いと向き合うことから逃げています。現実世界でモテない、相手にされない。その事実を直視するのは、あまりにもつらい。だから、「結婚したい人」だけが集まる、特殊で限定的なプールに飛び込むのです。そこなら、需要と供給が歪んでいるため、現実世界では相手にされないような自分でも、「選ばれる」可能性が少しは高まるかもしれない。

それは、自分の実力不足を棚に上げ、戦うフィールドの方を限定することで、勝利の確率を上げようとする、極めて消極的な戦略です。言わば、テストの点数が悪いのは自分の勉強不足が原因なのに、「もっと簡単なテストを受けさせてくれ」と要求しているのと同じです。そんな姿勢で手に入れた「合格」に、一体どれほどの価値があるというのでしょうか。

データが示す「まだ逃げる必要はない」という客観的な事実

「でも、周りがどんどん結婚していくから焦る」？その焦りが、いかに視野の狭い、主観的な思い込みであるかを、客観的なデータで示しましょう。

厚生労働省の「人口動態統計（2023年）」によると、日本の平均初婚年齢は夫が31.1歳、妻が29.7歳です。これはあくまで平均であり、特に都市部ではさらに高くなる傾向にあります。あなたが今いる20代という場所は、婚活市場のゴールではなく、スタートラインにすら立っていない、広大な助走期間なのです。

あなたの周りで結婚している友人たちは、統計的に見れば、ごく一部の「アーリーアダプター」に過ぎません。その少数派の動向に惑わされ、大多数がまだスタートしていないレースで、フライングして息切れする必要など、どこにもないのです。

結婚相談所は、「20代は有利ですよ」と囁くでしょう。ええ、それは事実です。あなたの「若さ」というスペックは、強力な武器です。しかし、考えてみてください。その強力な武器は、なぜわざわざ月会費まで払って、限定的な有料フィールドで使う必要があるのでしょうか。職場、友人からの紹介、趣味のコミュニティ。あなたが今いる「現実世界」という広大な無料フィールドでこそ、その武器は最大の効果を発揮するはずです。その可能性を試す前から、自ら戦場を限定し、高い入場料を払う。それは、あまりにもったいない、愚かな戦略だとは思いませんか？

「逃げ」の先にあるのは“本当の幸せ”か？思考停止の代償

仮に、あなたが「逃げ」の戦略を取り、首尾よく結婚相談所でパートナーを見つけたとしましょう。おめでとうございます。さて、その先に待っているのは、本当にあなたが夢見た幸せな結婚生活でしょうか？

「条件」や「スペック」でマッチングされたその関係は、果たして、この先何十年も続く人生の荒波を乗り越えていけるほど、強固なものでしょうか。人間的な成長や、傷つく経験から逃げてきたあなたが、結婚生活で必ず発生する価値観の衝突や、コミュニケーションの齟齬、予期せぬ困難に、果たして適切に対処できるのでしょうか。

思い出してください。離婚理由の不動の1位は、いつの時代も「性格の不一致」です。年収や学歴といったスペックが一致していても、人間と人間の根源的な部分が合わなければ、関係はいずれ破綻するのです。結婚相談所での活動は、その最も重要な部分と向き合うプロセスを、巧妙にスキップさせてしまいます。

結局、あなたが向き合うべきだった人間性の課題に、結婚してから、より逃げ場のない状況で直面することになる。それは問題の解決ではなく、単なる「先延ばし」に過ぎません。そして、その時には、すでに何十万円という入会金と、人生の貴重な時間を失っているのです。

では、今すぐ向き合うべきことは何か。「逃げ」を「攻め」に変える戦略

ここまで読んで、「じゃあ、どうすればいいんだ」と途方に暮れているかもしれません。安心してください。あなたが自分の弱さや「逃げたい」という気持ちを自覚できたのなら、それは、本当の意味で人生を好転させるための、最も重要な第一歩です。ここからは、「逃げ」の戦略を、未来を切り拓く「攻め」の戦略に変えるための、具体的なアクションプランを提示します。

戦略①：自己分析という名の「現在地の確認」

まず、ノートとペンを用意してください。そして、自分が「何から逃げているのか」を、徹底的に書き出すのです。「自分に自信がない」「人と話すのが苦手」「外見にコンプレックスがある」「恋愛で傷つくのが怖い」。その全てを直視し、言語化すること。それが、あなたの現在地です。全ての戦略は、この現在地の正確な把握から始まります。

戦略②：自己投資という名の「戦闘力の向上」

次に、書き出した「逃げの原因」を一つずつ潰していくための、具体的な自己投資プランを立てます。外見にコンプレックスがあるなら、ファッションやヘアスタイルをプロに相談する、ジムに通って体を引き締める。コミュニケーションが苦手なら、話し方教室に通う、プレゼンの機会に積極的に立候補する。自信がないなら、仕事で圧倒的な成果を出す、資格を取得する。お金と時間をかけるべきは、相談所の会費ではなく、あなた自身の価値を高めるための、これらの投資です。

戦略③：実践という名の「経験値の獲得」

自分を磨きながら、同時並行で「実践」の場数を踏んでください。ただし、戦場は結婚相談所ではありません。マッチングアプリ、趣味のサークル、社会人イベント、友人からの紹介。そうした、より現実に近い、低リスクなフィールドで、積極的にコミュニケーションを取り、失敗を繰り返すのです。ここでの目的は、結婚相手を見つけることではありません。「失敗に慣れること」「断られることに動じない精神力を養うこと」「多様な価値観に触れ、人を見る目を養うこと」です。この泥臭い経験値こそが、あなたを本当に魅力的な人間に変えるのです。