
【この記事はこんな方に向けて書いています】
・結婚が決まって幸せなはずなのに、なぜか気分が落ち込んだり、涙が出たりする方
・パートナーの些細な言動が気になり、「本当にこの人でいいの?」と不安になっている方
・結婚式の準備が思うように進まず、すべてを投げ出したくなってしまっている方
・パートナーがマリッジブルーのようで、どう接していいか分からず悩んでいる方
大好きな人との結婚が決まり、人生で最も幸せなはずの期間。それなのに、なぜか心が晴れない。急に将来が不安になったり、パートナーのことが信じられなくなったり、理由もなく涙がこぼれたり…。
もしあなたが今、そんな状態にあるのなら、それは「マリッジブルー」かもしれません。
「結婚をやめたいわけじゃないのに、どうしてこんなに不安なの?」「幸せになれないんじゃないか…」と、一人で抱え込んでいませんか?
まず、一番にお伝えしたいこと。それは、「結婚前に不安になるのは、ごく当たり前のこと」だということです。マリッジブルーは、あなたが弱いからでも、愛情が足りないからでもありません。むしろ、これからの人生を真剣に考えているからこそ起こる、自然な心の反応なのです。
この記事では、多くの人が経験するマリッジブルーの「正体」を、データと共にロジカルに解き明かし、その不安な気持ちを乗り越えるための具体的な方法をステップバイステップで徹底解説します。
この記事を読み終える頃には、漠然とした不安の正体が分かり、心が少し軽くなっているはずです。そして、パートナーと共にこの壁を乗り越え、より強い絆で結ばれるための一歩を踏み出せるようになっているでしょう。
「本当に私だけ?」データで見るマリッジブルーのリアル
「こんなに不安なのは、きっと私だけ…」
そう思い込んでしまう気持ち、とてもよく分かります。しかし、その心配は全く必要ありません。まずは客観的なデータを見て、あなた一人ではないことを知り、安心してください。
大手結婚情報サービス「ゼクシィ」が毎年行っている「結婚トレンド調査」によると、驚くべき事実が明らかになっています。
なんと、結婚を控えた女性のうち約6割(58.7%)が、マリッジブルーを「感じた」と回答しているのです。(ゼクシィ結婚トレンド調査2023調べ)
さらに、男性に限定した調査でも、約4割が同様の不安を感じた経験があると答えています。
この数字が示しているのは、マリッジブルーは決して特別なことではなく、結婚という大きな人生の節目を前にした多くの人が経験する「通過儀礼」のようなものだということです。
クラスの半分以上の人が経験する、ごくありふれた現象。そう考えるだけで、少し心が軽くなりませんか?
あなたが今感じている不安や焦りは、多くの先輩花嫁・花婿たちが通り抜けてきた道なのです。だから、自分を責める必要は一切ありません。
マリッジブルーの正体とは?幸せなはずなのに不安になる5つの原因
では、なぜこれほど多くの人がマリッジブルーに陥るのでしょうか。その漠然とした不安の「正体」を、5つの具体的な原因に分解して見ていきましょう。自分の不安がどれに当てはまるか、チェックしながら読み進めてみてください。
原因1:環境の「激変」に対する未知への不安
結婚は、人生における最大級の環境変化です。たとえそれが喜ばしい変化であっても、私たちの心と体は、変化そのものにストレスを感じるようにできています。
・苗字が変わること:これまで何十年も共にしてきた自分の名前が変わるという、アイデンティティの揺らぎ。
・住む場所が変わること:慣れ親しんだ土地や家を離れる寂しさ、新しいご近所付き合いへの不安。
・働き方が変わること:引っ越しに伴う退職や転職、あるいは家庭との両立へのプレッシャー。
・人間関係が変わること:親や兄弟、友人との物理的な距離ができ、これまで通りの関係ではいられなくなることへの懸念。
これらの変化は、一つひとつは小さく見えても、一気に押し寄せてくることで、私たちのキャパシティを超えてしまうことがあります。未来が見えないことへの漠然とした不安が、マリッジブルーの大きな原因の一つです。
原因2:相手への「最終確認」と無意識の減点採点
「本当に、この人でいいんだろうか?」 この問いは、マリッジブルーの核心とも言える感情です。これまで大好きだったはずのパートナーの、今まで気にならなかった些細な癖や言動が、急に許せなく感じてしまう。
・食事の食べ方が汚い ・脱いだ服をそのままにする
・話を聞いてくれているようで、聞いていない
まるで無意識に相手の欠点を探し、減点採点をしているかのようなこの心理状態。これは、愛情が冷めたわけではありません。むしろ、「この人を生涯のパートナーとして、本当に受け入れられるか?」という、自分自身に対する最後の確認作業なのです。人生を共にする覚悟を決めるための、脳の正常な防衛本能とも言えます。
原因3:新しい「家族・親族」との関係へのプレッシャー
結婚は、個人と個人の結びつきであると同時に、家と家との結びつきでもあります。特に、相手の親や親族との関係は、多くの人にとって大きなプレッシャーとなります。
・義理の両親とうまくやっていけるだろうか?
・親戚付き合いのルールや頻度は?
・「嫁」「婿」としての役割を、きちんと果たせるだろうか?
たとえ相手の家族がとても良い人たちだったとしても、「うまくやらなければ」という気負いが、自分自身を追い詰めてしまうのです。
原因4:「お金」や「将来設計」に対する現実的な不安
恋愛中はあまり直視してこなかった、現実的な問題が目の前に現れるのも、結婚準備期間の特徴です。
・二人の貯金で、結婚式や新生活の費用は足りるだろうか?
・これからの家計のやりくりは、どうすればいい?
・子どもが生まれたら、どのくらいのお金が必要になる?
将来の生活を具体的に考え始めると、お金に関する不安が次々と湧き上がってきます。ロマンチックな気持ちだけでは越えられない現実的な壁に直面し、途方に暮れてしまうことも少なくありません。
原因5:「独身」という自由を失うことへの喪失感
結婚をすれば、当然ながら独身時代のような自由は少なくなります。頭では分かっていても、いざその時が来ると、失うものの大きさに気づいて寂しさを感じてしまうのです。
・自分のためだけに自由に使えた時間
・自分のためだけに自由に使えたお金
・いつでも気軽に会えた友人たちとの関係
これらを失うことへの「名残惜しさ」や「寂しさ」が、結婚そのものへの迷いへと繋がってしまう。これは、独身時代を謳歌してきた人ほど陥りやすい感情です。
実は男性もなる!男女で違うマリッジブルーの傾向
マリッジブルーは女性特有のもの、というイメージが強いかもしれませんが、先ほどのデータが示す通り、男性も決して無関係ではありません。ただし、その不安の原因には、男女で少し傾向の違いが見られます。
女性が感じやすい不安
・新しい環境や人間関係への適応(苗字、住まい、義実家との関係など)
・仕事と家庭の両立
・出産や子育てへのプレッシャー
女性の場合は、生活全般の変化や、新しい役割への適応に関する不安が多い傾向にあります。
男性が感じやすい不安
・家族を養っていくことへの経済的な責任(大黒柱としてのプレッシャー)
・一家の主としての精神的な重圧
・自由な時間がなくなることへの喪失感
男性の場合は、「家族を守らなければ」「自分がしっかりしなければ」という、責任感やプレッシャーに起因する不安が中心となることが多いようです。
お互いが「なぜ相手はこんなに不安になっているんだろう?」と理解できない時、この男女間の傾向の違いを知っておくだけで、相手の気持ちを想像しやすくなります。
【実践編】一人で抱え込まないで!マリッジブルーを乗り越えるための具体的な5つのステップ
では、この辛いマリッジブルーを、どうすれば乗り越えることができるのでしょうか。一人で抱え込まず、ぜひこれから紹介する5つのステップを試してみてください。
ステップ1:自分の感情を「すべて書き出す」
漠然とした不安は、頭の中だけで考えていると、どんどん大きくなっていく性質があります。まずは、今感じているモヤモヤを、誰にも見せる必要はないので、ノートやスマホのメモにすべて書き出してみましょう。
「何が不安なのか」「何が嫌なのか」「本当はどうしたいのか」
汚い言葉でも、支離滅裂でも構いません。感情をすべて吐き出すことで、自分の気持ちを客観的に見つめ直すことができます。「なんだ、私が不安に思っていたのは、こんなことだったのか」と、問題点が整理されるだけでも、心はかなりスッキリします。
ステップ2:勇気を出して「パートナーと正直に話し合う」
これは最も重要で、そして最も勇気がいるステップかもしれません。しかし、ここを避けては通れません。あなたが感じている不安を、正直にパートナーに話してみましょう。
大切なのは、感情的に相手を責めるのではなく、「私は今、こういう理由で不安に感じている」と、「私」を主語にして伝えることです(アイメッセージ)。
「なんで分かってくれないの!」ではなく、「私は、これからの生活のことを考えると、少し不安な気持ちになるの」と伝える。そうすれば、相手も冷静にあなたの話を聞き、一緒に解決策を考えようという気持ちになってくれるはずです。二人の絆を深める、最初の共同作業だと捉えましょう。
ステップ3:信頼できる「第三者」に相談する
当事者同士だけでは、どうしても視野が狭くなってしまうことがあります。そんな時は、信頼できる第三者に話を聞いてもらうのも非常に有効です。
・既婚の友人や先輩:同じ道を先に通った先輩からの「私もそうだったよ!」という一言は、何よりの薬になります。具体的なアドバイスももらえるでしょう。
・独身の友人:客観的な視点から、「あなたたちらしくて良いんじゃない?」と、凝り固まった考えをほぐしてくれるかもしれません。
・自分の親や兄弟:あなたのことを一番よく知る家族だからこそ、的確なサポートをしてくれる可能性があります。
誰かに話すだけで、気持ちの整理がつき、新しい視点が見つかることは少なくありません。
ステップ4:一度、結婚準備から「物理的に離れる」
結婚式の準備や手続きに追われていると、知らず知らずのうちに心身が疲弊し、「結婚=大変なこと」というネガティブなイメージに囚われてしまいます。
そんな時は、思い切って結婚準備を一時中断しましょう。1日でも、週末だけでも構いません。結婚のことは一切考えず、自分の好きなことに没頭する時間を作ってください。
一人で映画を観る、友人とランチに行く、趣味に打ち込む。そうして心と体をリフレッシュさせることで、また前向きな気持ちで準備に取り組めるようになります。
ステップ5:二人の「楽しい未来」を具体的に描く
不安な時ほど、私たちの思考はネガティブな側面に囚われがちです。意識的に、二人の楽しい未来に目を向けてみましょう。
・新婚旅行はどこに行こうか?
・新しい家には、どんな家具を置こうか?
・週末は、二人でどんな風に過ごしたい?
結婚準備のTo-Doリストから一旦離れて、ワクワクするような未来の計画を二人で話し合ってみてください。結婚は、義務や責任だけではありません。これから始まる、楽しくて幸せな日々のためのステップなのだと、再認識することができるはずです。
パートナーがマリッジブルーになった時の「神対応」
もし、あなたのパートナーがマリッジブルーに陥ってしまったら、どう対応すれば良いのでしょうか。ここであなたの対応を間違えると、二人の関係に亀裂が入りかねません。以下の3つのポイントを心に留めておいてください。
- 徹底的に話を聞く(否定しない):「そんなこと気にするなよ」「考えすぎだよ」といった言葉は絶対にNGです。相手は、自分の不安を真剣に受け止めてもらえないと感じ、心を閉ざしてしまいます。まずは、相手が話すすべてを、ただひたすら「そうだね」「そう感じているんだね」と、肯定も否定もせずに聞いてあげてください。
- 不安な気持ちに共感し、安心させる:話を聞いた上で、「不安にさせてごめんね」「一人で抱え込ませていたね」と、相手の気持ちに寄り添う言葉をかけましょう。そして、「何があっても、私はあなたの味方だよ」「二人でなら、きっと乗り越えられるよ」と、具体的な安心感を与えてあげることが大切です。
- 言葉だけでなく行動で示す:家事を積極的に手伝ったり、相手の好きなものを買ってきたり、気分転換にどこかへ連れ出したり。言葉だけでなく、具体的な行動で「大切に思っている」という気持ちを示すことで、相手の心は少しずつ解きほぐされていきます。
マリッジブルーは、二人にとって「雨降って地固まる」のチャンスです。この試練を二人で乗り越えることができれば、その先の結婚生活でどんな困難が訪れても、きっと乗り越えていけるという自信に繋がります。
結婚前の不安は、あなたが幸せになるための最終試験のようなもの。この記事が、あなたの心が晴れ渡るための一助となれば、これほど嬉しいことはありません。
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