
【この記事はこんな方に向けて書いています】
・LINEの返信をわざと遅らせるなど、恋愛の駆け引きを「テクニック」だと思っている
・相手の気を引くために、他の異性の存在をチラつかせたことがある
・恋愛の駆け引きに疲れ果て、「素直な恋がしたい」と心の底では感じている
・小手先のテクニックではなく、本質的な人間関係の築き方を知りたい
・「追われる恋」に憧れているが、いつも追いかけてしまう
好きな人の気を引くために、LINEの返信をわざと一日寝かせてみる。インスタのストーリーに、他の異性との交流を“匂わせる”写真をアップする。デートの誘いを一度断って、自分の価値を高めようとする…。
あなたも一度は、そんな「恋愛の駆け引き」を試したことがあるかもしれません。まるで恋愛を有利に進めるための必勝法かのように、様々なメディアで語られていますよね。
でも、そろそろ気づきませんか?そのあなたが「テクニック」だと思ってやっている行為、実は全くの無意味。いや、それどころか、あなたの価値を著しく貶め、築けるはずだった本物の関係を、自らの手で破壊している「最悪の愚行」なのだとしたら…?
この記事では、なぜ恋愛における駆け引きが「百害あって一利なし」なのか、その残酷な真実を、心理学的な観点から徹底的に解説していきます。
なぜ人は「駆け引き」という無駄な努力をしてしまうのか
そもそも、なぜ私たちは、こんなにも面倒で、不誠実な「駆け引き」という行為に手を出してしまうのでしょうか。
理由は、たった一つ。自分に自信がないからです。
心の奥底で、「ありのままの自分では、相手にされない」「素の自分では、愛される価値がない」と思い込んでいる。だから、自分を実際よりも価値のある存在に見せかけようと、小手先のテクニックに頼ってしまうのです。
わざと返信を遅らせるのは、「私はあなたに夢中なわけじゃない、他にもやることがある忙しい人間だ」と見せたいから。他の異性の影をチラつかせるのは、「私はこんなにモテるんだから、手に入れたいなら努力しろ」と、自分の市場価値を吊り上げたいから。
これらは全て、「素の自分」という商品に自信がないが故の、過剰な包装や、誇大広告に他なりません。
駆け引きが「百害あって一利なし」と断言できる残酷な理由
あなたが良かれと思ってやっているその駆け引き、実は二つの致命的な欠陥を抱えています。
一つは、「駆け引きで釣れるのは、あなたと同じレベルの相手だけ」という残酷な現実です。 考えてみてください。本当に賢く、誠実で、自己肯定感の高い人は、あなたが仕掛ける不自然な駆け引きの意図をすぐに見抜きます。そして、「なんだか面倒くさい人だな」「人を試すような、不誠実な人だな」と判断し、静かにあなたから離れていきます。
では、あなたの仕掛けた罠に、まんまと引っかかるのはどんな人でしょうか。それは、同じように恋愛をゲームとして楽しんでいる人か、あるいは、あなたと同じように自分に自信がなく、相手の顔色ばかりを伺ってしまう人です。そんな相手と、果たしてあなたは、心から安らげる、健全な関係を築くことができるでしょうか?答えは、言うまでもありませんよね。
そして、もう一つの、より深刻な理由。それは、「駆け引きの成功は、偽りのあなたの成功でしかない」ということです。 仮に、あなたの駆け引きがうまくいき、相手の気を引くことができたとしましょう。でも、喜ぶのはまだ早い。そこで相手が好意を寄せたのは、「ありのままのあなた」ではありません。「既読スルーをしたり、思わせぶりな態度を取ったりする、ミステリアスなあなた」なのです。
つまり、関係が始まった後も、あなたはその「偽りの自分」を、ずっと演じ続けなければならない。少しでも気を抜いて素直な自分を見せれば、「なんだかイメージと違う」と、相手は離れていってしまうかもしれない。そんな恐怖に怯えながら続ける恋愛が、幸せなはずがありません。
駆け引きが通用するのは「賞味期限付き」という事実
恋愛の駆け引きは、ドーピングのようなものです。一時的に相手の興味を引くという「瞬発力」はあるかもしれません。しかし、長期的な関係を築く上で、その効果は全く持続しません。むしろ、副作用の方が遥かに大きいのです。
実際、長期的に良好な関係を築いているカップルのコミュニケーションを分析した研究では、「誠実性」「自己開示(素直に自分を見せること)」「オープンなコミュニケーション」といった要素が、関係の満足度と強く相関していることが、繰り返し示されています。
人を試すような「駆け引き」は、これらの要素とは、まさに対極にある行為です。駆け引きをすればするほど、二人の間の信頼は失われ、関係は脆くなっていく。これは、科学的にも明らかと言えるでしょう。
駆け引きをやめて「本物の魅力」で勝負する方法
では、私たちはどうすればいいのか。 答えは、驚くほどシンプルです。駆け引きに使う時間とエネルギーの全てを、自分自身を磨くことに使うのです。
LINEの返信をいつ返すか悩む時間があるなら、本を1ページ読んで知識を深める。相手のSNSを監視する時間があるなら、5分でも筋トレをして自分を磨く。
仕事に打ち込む、新しい趣味を見つける、行ったことのない場所へ旅に出る。そうやって、あなた自身の人生を豊かにし、「誰かを楽しませる」のではなく、「自分が心から楽しむ」こと。
そうして内側から滲み出る自信と、人間的な深みこそが、小手先のテクニックなどでは到底太刀打ちできない、「本物の魅力」となります。そして、自分の気持ちに素直になること。「会いたい」と思ったら、「会いたい」と伝える。「嬉しい」と感じたら、満面の笑みで「嬉しい!」と表現する。
その裏表のない、ストレートな誠実さこそが、相手の心を最も強く打ち、本物の信頼関係を築くための、唯一にして最強の武器なのです。
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