
【この記事はこんな方に向けて書いています】
- 今までの人生、万年追いかける専門だったのに、なぜか突然アプローチされている方
- 男性からの好意を素直に受け取れず、「何か裏があるのでは?」と名探偵ばりの勘繰りをしてしまう方
- 恋愛ドラマの主人公にでもなったつもりで、「駆け引き」と称した奇行に走りがちな方
- 相手の好意が嬉しすぎて、どう振る舞うのが正解かわからず、完全に挙動不審になっている方
- ようやく訪れた千載一遇のチャンスを、自分のせいで水の泡にしたくないと心から願っている、すべての方
いつもは遥か彼方の高嶺の花を眺め、健気な片思いをこじらせていたあなた。そんなあなたが、まさかの、逆の立場に。男性からのわかりやすいアプローチ、頻繁な連絡、食事のお誘い…。にわかには信じがたいでしょうが、どうやら、あなたは今、猛烈に「追われて」いるようです。おめでとうございます。
しかし、その浮かれた気分も束の間。あなたのその「追われ慣れていない」がゆえの言動が、せっかく芽生えかけた恋の芽を、無慈悲に踏み潰している可能性があるとしたら…?
良かれと思ってやっている、その謙虚な態度。恋を有利に進めるためだと思っている、そのささやかな駆け引き。それらが、相手の男性から見れば「面倒くさい」「意味がわからない」「失礼だ」と思われる、最悪の地雷だとしたら…?
この記事は、そんなあなたの「勘違い」を一つひとつ白日の下に晒し、あなたの恋愛における「自爆スイッチ」を解除するための、解体新書です。耳が痛いかもしれませんが、目を逸らさず、最後までお付き合いください。
誤算その1:「私なんかが…」過剰な謙遜は、相手への侮辱です
男性から「その服、すごく似合ってるね」「今日の髪型、可愛いね」なんて褒められた時、あなたの口から飛び出す第一声は何ですか?
「いやいやいや!そんなことないです!」 「え、うそ、全然ですよ!むしろ今日ブスなんです!」
はい、アウトです。一発レッドカードで退場です。 あなたが良かれと思ってやっているその謙遜、日本人の美徳だと信じているその態度は、相手からすれば、ただの「侮辱」でしかありません。
考えてもみてください。相手は、勇気を出して、あなたを「素敵だ」と思って、その気持ちを言葉にしてくれたのです。それに対して、「そんなことはない」と全力で否定することは、「あなたのその美的センス、狂ってますよ」「あなたが見ている私は幻です」と言っているのと同じ。あなたは、相手の「見る目」そのものを、真正面から否定しているのです。
そんなことを繰り返されたら、相手はどう思うでしょう。「この子は、褒めても全く喜ばないな」「俺の好意は、この子にとっては迷惑なのかな」と感じ、次第にあなたを褒めるのをやめ、アプローチする気力すら失っていくでしょう。
追われ慣れている女性は、こういう時、にっこりと微笑んで、ただ一言、こう言うのです。「ありがとう、嬉しいな」。たったこれだけ。相手の好意を、敬意をもって受け止める。それが、追われる恋のスタートラインに立つための、最低限のマナーなのです。
誤算その2:「試す」という名の愚行。その駆け引き、全部バレてます
さて、少し相手との距離が縮まってきた頃。あなたの頭の中に、悪魔が囁き始めます。「このままじゃ、都合のいい女だと思われるかも…」「ちょっとは駆け引きして、相手を夢中にさせなきゃ…」と。
そしてあなたは、ネット記事で読みかじったような、安っぽい駆け引きに手を染め始めるのです。LINEの返信をわざと数時間遅らせてみたり、SNSに他の男性の影を匂わせる投稿をしてみたり。
その愚かな行為、今すぐやめなさい。はっきり言いますが、その程度の浅はかな駆け引き、相手の男性には、すべてお見通しです。特に、ある程度恋愛経験のある男性からすれば、「あーはいはい、このパターンね」「追われ慣れてない子がよくやるやつだ」と、内心でため息をつかれているだけ。
心理学の研究でも、長期的に良好なパートナーシップを築く上で最も重要な要素は「誠実さ」であると、繰り返し示されています。信頼関係をこれから築こうという最も大切な時期に、相手を試すような不誠実な態度をとる。それが、どれほど愚かで、致命的な行為であるか、わかりますか?
あなたは、相手の気持ちを確かめるためにやっているつもりかもしれませんが、相手に伝わっているのは「私はあなたを信用していません」「私は平気で嘘をつける人間です」という、最悪の自己紹介です。そんな面倒くさい相手と、真剣な関係を築きたいと思う男性が、どこにいるというのでしょうか。
誤算その3:100%の好意を返し続ける”全力投球”。相手は息切れします
謙遜もダメ、駆け引きもダメ。じゃあ、どうすればいいのか。混乱したあなたが陥りがちなのが、この第三の誤算です。
「わかった!誠実に、全力で応えればいいんだ!」
相手からのLINEには、1分以内に渾身の長文で即レス。 デートに誘われれば、食い気味に「行きます!いつがいいですか!」と前のめり。 会話中は、相手の情報を一つでも多く得ようと、尋問のような質問攻め。
相手からの好意が、あまりにも嬉しすぎて。このチャンスを逃すまいと、必死すぎて。あなたは、常にアクセル全開の全力投球状態。
気持ちは痛いほどわかります。しかし、それもまた、相手を疲れさせ、恋を失速させる原因になるのです。
多くの男性には、「追いかけたい」という狩猟本能が備わっています。簡単に手に入らないものを、努力して手に入れる過程に、喜びや興奮を感じるのです。あなたが常に100%、いや120%の好意を全力で返し続けることは、その「追いかける楽しみ」を、根こそぎ奪い去る行為に他なりません。
例えるなら、あなたがラスボスだと思っていた相手が、最初の村で最強の武器をあっさり渡してくるようなもの。一気にゲームがつまらなくなりますよね。
今まで追いかける側だったあなたは、ペース配分が全くわかっていないのです。少しは力を抜いて、相手に「考えさせる時間」「追いかけさせる隙」を与える。その余裕こそが、相手の熱量をさらに高めるための、極上のスパイスになるのです。
誤算その4:脳内会議が長すぎる。「どうしよう…」でチャンスは腐る
「彼からLINEが来た!なんて返そう…」 「『今度ご飯行こう』って言われた!すぐOKしたら、がっついてるって思われるかな?」 「でも、断ったらもう誘ってくれないかも…」
あなたの頭の中では、毎日毎日、緊急対策会議が招集されています。議題は「彼への最適な対応について」。ああでもない、こうでもないと、様々な部署(不安、期待、見栄)から意見が噴出し、会議は紛糾。結論が出る頃には、とっくに深夜。
その間に、何が起きているか。相手の熱量は、刻一刻と下がっています。
恋愛の初期段階、特に男性からのアプローチが始まったばかりの時期は、「勢い」や「テンポ」が何よりも重要です。相手が「いいな」と思って熱を上げているその瞬間に、あなたもポジティブな反応を返す。その心地よいラリーが、関係を前進させるのです。
あなたが完璧な一打を打とうと、うんうん唸って考え込んでいる間に、相手は「あれ、脈ナシなのかな」「面倒くさくなってきたな」と感じ、別のラリー相手を探しに行ってしまいます。チャンスの神様には前髪しかない、とはよく言ったもの。あなたがようやく振り向いた時には、彼の背中すら見えなくなっているのです。
100点の返信を目指すあまり、返信しない、という0点以下の選択をしてしまう。それが、考えすぎてしまうあなたの、最も悲しい誤算です。
誤算その5:「好意の理由」を問い詰める尋問。彼はあなたのお父さんじゃない
最後にして、最も相手を困惑させ、心を折らせるのがこの誤算です。
「ねぇ、なんで私のことが好きなの?」 「私の、どこがいいって思ったの?」
自己肯定感の低さからくる、この「愛情確認作業」。あなたは不安で仕方ないのでしょう。こんな自分を好きになるなんて、何か理由があるはずだ、と。その理由を聞いて、安心したいのでしょう。
しかし、この質問は、相手からすれば「抜き打ちテスト」か「尋問」でしかありません。 「好き」という感情は、本来、理屈ではありません。「なんかいいな」「一緒にいると楽しいな」という、もっと感覚的なものです。それを、まるで論文の根拠を示すかのように、「好きの理由」を具体的に、かつ論理的に説明させようとする。
そんなことをされたら、相手は「え、そんなこと急に言われても…」「好きに理由なんているの?」とタジタジになるだけ。そして、この質問の裏にあるあなたの強烈な「自信のなさ」を感じ取り、「この子と付き合ったら、ずっとこうやって愛情を試され続けるんだろうな…」と、未来を想像して、絶望的な気持ちになるのです。
相手は、あなたの自信のなさを埋めるためのカウンセラーでも、あなたを無条件に肯定してくれるお父さんでもありません。一人の人間として、あなたに惹かれた、ただの男性なのです。彼の好意を、テストで採点するのは、もうやめにしませんか。
さあ、”お姫様ごっこ”の練習は終わりだ
ここまで、5つの痛い誤算について解説してきました。心にグサグサと突き刺さる項目があったのではないでしょうか。
追われることに慣れていない。それは、あなたのせいではありません。仕方のないことです。 しかし、その「不慣れ」を言い訳にして、相手の誠意を踏みにじり、せっかくのチャンスを自ら破壊し続けるのは、もう終わりにしましょう。
完璧なシンデレラになる必要なんてないのです。 ただ、相手が差し伸べてくれたガラスの靴を、「ありがとう」と素直に受け取る。 相手の気持ちを疑わず、誠実に向き合う。 自分の感情に正直に、でも、相手のペースも少しだけ考えてあげる。
追われる恋は、あなたが主役の物語です。いつまでも、舞台の袖でおどおどしている、自信のない脇役でいるのはやめなさい。
さあ、深呼吸して。 堂々と胸を張って、物語の真ん中へ。 あなたが輝くべき、ヒロインの席は、もう用意されているのですから。
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