【この記事はこんな方に向けて書いています】
結婚を考える相手に求める「年収」の、リアルな本音と建前が知りたい方。
婚活の場で、相手の年収をどう見ればいいのか、自分の年収をどう伝えればいいのか、悩んでいる全ての男女。
「自分の年収で、果たして結婚できるんだろうか…」と、正直、将来に不安を感じている方。
結婚後のリアルな生活費や、パートナーとのお金に関する価値観について、真剣に考え始めたい方。
結婚を意識した瞬間、誰もが一度は頭をよぎる、けれど、なかなか口には出しにくいテーマ。それが「お金」の話。中でも、相手に求める「年収」は、婚活市場における永遠の課題と言っても過言ではないでしょう。「愛があれば、お金なんて…」と綺麗事を言ってみたくなるけれど、現実はそう甘くない。かといって、あまりにストレートに希望を口にすれば、「高望み」「お金目当て」なんて思われそうで怖い…。
そんな、言葉にできないモヤモヤを抱えているのは、あなただけではありません。この記事では、巷に溢れる噂や個人の感想ではなく、公的機関や大手企業が発表している信頼できる「データ」を基に、「結婚と年収」という、このデリケートな問題を、真正面から徹底的に解剖していきます。
女性が本音では、相手にいくらの年収を求めているのか。そして、その理想に対して、日本の男性の年収の「現実」は、どうなっているのか。データから見える残酷なまでのギャップと、そのギャップを乗り越え、幸せな結婚を手に入れるために「本当に大切なこと」とは何か。さあ、一緒に「お金と結婚」のリアルを巡る旅に出かけましょう。
なぜ私たちは、結婚相手の「年収」がこんなにも気になるのか？
本題に入る前に、少しだけ立ち止まって考えてみましょう。なぜ、私たちはこれほどまでに、愛する人の「年収」という数字に心を揺さぶられるのでしょうか。それは、決してあなたが「お金に汚い」からではありません。むしろ、将来を真剣に考えているからこその、至極まっとうな感情なのです。
「愛」と「生活」は別問題であるという現実
恋愛と結婚の最大の違い、それは「生活」という、日々の営みが伴うことです。食事をする、家に住む、病気になったら病院に行く。私たちの生活の全てには、残念ながらお金が関わってきます。結婚相手の年収を気にするのは、その「生活」の基盤がどれだけ安定しているかを確認したい、というごく自然で健全な防衛本能なのです。
将来設計を描くための「重要な指標」
さらに、二人の未来を考えた時、年収は無視できない指標となります。子どもは何人欲しいか、どんな教育を受けさせてあげたいか。マイホームは買うのか、賃貸で暮らすのか。年に一度は、海外旅行に行きたい。こうしたライフプランを描く上で、世帯としての収入がどれくらい見込めるのかは、夢を現実に落とし込むための、極めて重要な要素となります。
相手の「価値観」を映し出す鏡
そして、もう一つ。お金に対する考え方は、その人の価値観や生き方を色濃く反映します。コツコツと努力して今の収入を得たのか、リスクを取って大きな成功を掴んだのか。稼いだお金を何に使い、何のために貯めるのか。年収という数字の裏側には、その人の人となりが透けて見えます。相手の年収を気にするということは、間接的に「相手の価値観を知りたい」と願う気持ちの表れでもあるのです。
【理想編】データで見る！女性が結婚相手に求める「年収」のリアルな数字
では、いよいよ本題です。世の女性たちは、結婚相手の男性に、具体的にどれくらいの年収を求めているのでしょうか。様々な調査データから、その「理想」を紐解いていきましょう。
ブライダル総研が毎年発表している「ゼクシィ結婚トレンド調査」などの大規模アンケートを見ると、興味深い傾向が見えてきます。女性が相手に希望する年収として、最も多くの票を集めるボリュームゾーンは、**「400万円～600万円未満」**あたりになることがほとんどです。
もう少し詳しく見ていくと、「最低でもこのくらいは欲しい」というラインとして、**「年収500万円」**という数字が、一つの大きな壁として意識されていることが分かります。なぜ、この「500万円」という数字が頻繁に登場するのでしょうか。これは、おそらく「平均的な生活を、ある程度の余裕を持って送れる」というイメージが、この年収ラインにあるからだと考えられます。
また、国立社会保障・人口問題研究所が実施する「出生動向基本調査」という、非常に信頼性の高い調査においても、女性が結婚相手に求める条件として「経済力」は、常に「人柄」や「家事・育児への能力」と並んで、トップクラスの重要項目として挙げられています。このことからも、女性が結婚において、経済的な安定を重視する傾向は、今も昔も変わらない普遍的なものであることが分かります。
一方で、「自分よりも年収が高ければOK」という意見も根強く存在します。これは、相手の年収の絶対額そのものよりも、「自分をリードしてくれる存在であってほしい」という気持ちや、「いざという時に頼れる経済力」を求める心理の表れかもしれません。
【現実編】日本の男性の「平均年収」はいくら？国税庁データが示す真実
女性たちの「理想」が見えてきたところで、次は、日本の男性の年収の「現実」に目を向けてみましょう。ここで参考にするのは、国税庁が毎年発表している「民間給与実態統計調査」です。これは、日本のサラリーマンの給与実態を知る上で、最も信頼できるデータの一つです。
2025年現在、参照できる最新のデータによると、日本の給与所得者全体の平均年収は、おおよそ450万円前後で推移しています。そして、これを男性に絞って見ると、平均年収は約550万円～560万円あたりとなります。
「なんだ、女性の理想と、そんなに変わらないじゃないか」と思ったあなた。ここに、平均値の罠が潜んでいます。この数字には、一部の非常に高額な所得を得ている人たちが含まれているため、全体の数字が引き上げられているのです。
より実態に近い数字を見るために、年齢階層別のデータを見てみましょう。
・20代後半（25～29歳）の男性の平均年収は、約420万円。
・30代前半（30～34歳）では、約480万円。
・30代後半（35～39歳）になって、ようやく約550万円に達します。
このデータが示す、厳しい現実。それは、多くの女性が結婚相手として意識するであろう20代～30代の男性のうち、理想とされる「年収500万円以上」を稼いでいる人は、決して「多数派」ではないということです。特に、20代では、年収500万円を超えるのは、ごく一部のエリート層に限られる、というのが偽らざる実態なのです。
【分析編】なぜ「理想」と「現実」に大きなギャップが生まれるのか？
データは、女性が抱く「理想」と、男性が置かれている「現実」の間に、大きな隔たりがあることを示しています。なぜ、このようなギャップが生まれてしまうのでしょうか。
親世代の価値観と「専業主婦モデル」の影響
一つの要因として、私たちの親世代の価値観が、今もなお無意識のうちに影響を与えている可能性が考えられます。かつて、日本の標準的な家族モデルは、「夫が会社で働き、妻は家庭を守る」というものでした。この「専業主婦モデル」を成り立たせるためには、夫一人の稼ぎで、家族全員の生活を支える必要がありました。その頃のイメージが、今も「男性は、これくらい稼ぐべきだ」という無意識の期待として、私たちの中に残っているのかもしれません。
メディアやSNSが作り出す「きらびやかな幻想」
テレビドラマや映画、そしてInstagramなどのSNSには、リッチで華やかな生活を送る人々の姿が溢れています。タワーマンションに住み、高級レストランで食事をし、年に何度も海外旅行へ行く…。そうした「きらびやかな幻想」に日常的に触れることで、知らず知らずのうちに、私たちの生活水準に対する期待値が引き上げられている、という側面も否定できません。
ギャップを埋める鍵は「世帯年収」という考え方
では、この大きなギャップを、私たちはどう乗り越えれば良いのでしょうか。その答えは、極めてシンプルです。それは、「男性一人の年収」で考える時代から、「夫婦二人の世帯年収」で考える時代へと、意識をシフトさせることです。
総務省の調査などを見ても、共働き世帯の数は、専業主婦世帯の数を、はるか昔に上回り、今やそれがスタンダードとなっています。例えば、「夫の年収400万円」と「妻の年収300万円」を合わせれば、世帯年収は700万円になります。これは、女性が理想とする「年収500万円」を大きく上回る水準です。これからの時代の結婚生活は、どちらか一方がもう一方を支えるのではなく、二人が対等なパートナーとして、協力し合って家計を支えていく、という形が主流になっていくのです。
結論：年収よりも大切かも？幸せな結婚のために本当に確認すべき「お金の価値観」
ここまで、年収という「数字」に焦点を当ててきましたが、最後に、それ以上に重要かもしれない「お金の価値観」についてお話しさせてください。年収という、たった一点のスペックだけで相手を判断するのは、非常にもったいなく、そして危険です。幸せな結婚生活を送るためには、以下の3つの価値観が合うかどうかを、ぜひ確認してみてください。
1. 「稼ぐ力」より「使い方・貯め方」の一致
たとえ年収が1000万円あっても、収入のほとんどをギャンブルや趣味に使い込み、貯蓄が全くない人と、年収は400万円でも、堅実に家計を管理し、将来のためにコツコツと貯蓄ができる人。あなたが、安心して将来を共にできるのは、どちらのタイプでしょうか。大切なのは、稼ぐ金額の大きさよりも、お金に対する「金銭感覚」が合うかどうかです。
2. 「お金」について、オープンに話し合える関係性
結婚生活は、住宅ローン、子どもの教育費、親の介護、老後の資金など、お金に関する決断の連続です。こうしたシビアな話を、感情的にならず、タブー視もせず、「私たちチームの課題」として、オープンに話し合える関係性を築ける相手でしょうか。お金の話ができる関係は、信頼関係の証でもあります。
3. お互いの「キャリア」を尊重し、応援し合えるか
共働きが当たり前の時代において、お互いのキャリアプランを尊重し、応援し合えるかどうかは、極めて重要な要素です。例えば、妻のキャリアアップのための転職や、夫の育児休業取得に対して、心から賛成し、協力できるか。家事や育児を「どちらかがやるもの」ではなく、「二人で分担するもの」として捉えられるか。こうした価値観の一致が、世帯年収を最大化し、二人の人生を豊かにする鍵となります。
まとめ：理想の年収は「二人で」作っていくもの
結婚相手の年収を考えることは、決して恥ずかしいことでも、悪いことでもありません。それは、あなた自身の人生、そして、これから生まれるかもしれない新しい家族の人生を、真剣に考えている証拠です。
しかし、データが示すように、相手一人の収入に、かつてのような安定を求めるのは、だんだんと難しい時代になっています。これからの結婚は、どちらか一方が大黒柱になるのではなく、夫婦という最小単位のチームで、協力し、支え合いながら、豊かさを「作っていく」ステージへと変わっていきます。
あなたが本当に探すべきなのは、「理想の年収を持つ人」ではなく、「理想の世帯年収を、一緒に目指していけるパートナー」なのかもしれません。目の前の数字に一喜一憂するのではなく、その人の働き方、お金の使い方、そして、あなたとの未来を共に築いていこうとする「意志」。その本質を見極めることができた時、あなたは、数字だけでは測れない、本当の幸せを手に入れることができるはずです。
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