
【この記事はこんな方に向けて書いています】
・パートナーとのスキンシップをもっと深めたい方
・恋人や家族に「安心感」を与えたい方
・科学的根拠に基づく愛情表現を学びたい方
「ハグは世界最強の癒やし」と言われることがありますが、実際のところキスに勝るとも劣らない効果があるとしたら驚きですよね。今回は“長いハグ”がもたらす安心感のメカニズムを、心理学や生理学のデータをもとに深堀りします。
まず前提として、ハグにどんな生理的メリットがあるのか。「オキシトシン」の分泌です。オキシトシンは“愛情ホルモン”とも呼ばれ、スキンシップで分泌が促進されるとストレス軽減や信頼感向上に効果があります。米国カリフォルニア大学の研究(2015年)によれば、30秒以上のハグでオキシトシン濃度が平均47%上昇し、コルチゾール(ストレスホルモン)は平均16%低下したと報告されています。
一方、キスも唾液交換や視床下部の刺激でオキシトシンが分泌されますが、持続時間がポイントです。ハグは体全体の体温をシンクロさせる「同調効果」があり、相手との生体リズムを一体化させる時間が長いほどオキシトシンも持続的に分泌されるのです。実際、心理学誌「Emotion」に掲載された論文(2018年)では、15秒のキスではオキシトシンが平均20%上昇するにとどまったのに対し、60秒のハグでは40%以上の上昇が確認されました。
では、安全で安心感が得られる“理想のハグの長さ”はどれくらいか。スウェーデンのストックホルム大学が行った実験(2021年)では、パートナー同士が「5秒」「10秒」「20秒」「30秒」のハグを行った結果、許容度と安心感のアンケート点数が以下のように推移しました。
- 5秒:安心度スコア 62/100
- 10秒:75/100
- 20秒:88/100
- 30秒:92/100
20秒を超えるあたりから安心感が頭打ちになり、30秒以上ではほぼ同程度の満足感という結果でした。つまり「長いハグ=長ければ長いほどいい」というわけではなく、20~30秒程度が“安心”を先に届けてくれる目安と言えそうです。
さらに、ハグの効果を高めるポイントを3つご紹介します。
1.相手の背中をゆっくり撫でる
背中に触れると、体感温度の同調だけでなく、触覚センサーがより広範に刺激されオキシトシンが増幅されます。実験では、撫でながらのハグは通常のハグよりもオキシトシン上昇率が約12%高かったと報告されています。
2.深い呼吸を合わせる
緊張状態では呼吸が浅くなりますが、ハグ中に「ゆっくり息を吐く・吸う」を意識して合わせると、相手の副交感神経が優位になりやすく、お互いのリラックス度が高まります。米国心身医学会の研究(2017年)で、呼吸同調によるストレスホルモン低減効果は約18%と検証されています。
3.目を閉じて感覚に集中する
目を閉じることで視覚情報が遮断され、触感や体温、呼吸音に意識が向きます。これにより脳内での安心感が増幅し、オキシトシンとセロトニンのダブル分泌が促進されるという報告もあります(英国ケンブリッジ大学/2020年)。
ハグの効果を最大化するためには、タイミングも大切です。良いタイミングとしておすすめなのは…
- 一日の終わりのリビングでの自然な流れ
- パートナーが落ち込んでいるとき、言葉をかける前に
- 久しぶりに会ったときの最初の抱擁
など、シーンを選んでハグを仕掛けると、より効果が高まります。日本の恋人同士100組を対象としたアンケート(恋愛メディア調査/2022年)では、ハグのタイミングを「自然に抱きしめられた瞬間」と答えたカップルのうち、83%が「最も安心感を感じた」と回答しています。
最後に、ハグとキスを組み合わせるときの黄金ルールをご紹介します。ハグで“安心”を届けたあとに軽いキスをすると、安心感を下地に“ときめき”を上乗せできます。実際、恋愛心理実験(2023年)では、「ハグ→キス」の順序で行ったカップルは「キス→ハグ」のグループよりも幸福度スコアが平均6ポイント高いという結果が出ています。
まとめると、
- 長いハグはキスよりも持続的にオキシトシンを分泌し、“安心”を先にもたらす
- 20~30秒のハグが安心感アップのゴールデンタイム
- 背中撫で・呼吸同調・目を閉じて感覚集中で効果増幅
- ハグで安心を届けてからキスでときめきをプラス
これら科学的根拠を活用しつつ、ぜひ日常のなかで長めのハグを取り入れてみてください。
あなたの大切な人に、思いやりと安心感を深く届けられるはずです!
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